eSIM登場!スマホは「カードレス時代」へ
物理的なSIMカードを使わないeSIMが登場し、私たちはこれから徐々にスマートフォンのSIMカードに別れを告げることになりそうだ。新華社が伝えた。
中国電信(チャイナ・テレコム)、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の3大通信事業者がこのほど、工業・情報化部(省)からeSIMスマートフォン商用試験の認可を正式に取得し、中国全土でeSIMスマートフォンの業務を開始した。
中国聯通北京西単営業所で展示されるeSIMサービス。画像提供:中国聯通
では、eSIMとは何か?
eSIMスマートフォン業務とは、従来の物理的なSIMカードの機能をスマートフォンの内蔵チップに統合する技術だ。消費者はeSIM機能を備えたスマートフォンを購入すれば、物理的なSIMカードを挿入しなくても、電話番号をOTA(無線を経由してデータを送受信すること)でスマートフォン内蔵のeSIMチップに書き込むことができる。eSIMスマートフォンの通信機能は従来型と同じで、音声通話、データ通信、SMS送受信などのサービスが利用できる。
eSIMスマートフォン業務の試験商用が始動したことで、日常の通信環境にはどのような変化がもたらされるのか?
まず、スマート端末が進化する。技術の進歩とともに、これまでSIMカードのサイズは小型化を続けてきたが、eSIM技術はさらにスマートフォンなどの端末内部でSIMカードスロットの占有スペースを減らすことができる。その結果、端末のデザインはより薄く、より軽量になる。また、eSIMチップはメインボードに直接はんだ付けされるため、防塵、防水、耐振動性能も向上する。
次に、使い勝手が一段と便利になる。今後、ユーザーが物理的なカードなしで新規契約や番号変更などの手続きを行えるようになり、手続きが大幅に簡素化される見込みだ。SIMカードの紛失によるトラブルや、カードピンを探す手間も不要になる。さらに、海外への渡航が多い人にとっても、頻繁にカードを交換する必要がなくなる……。
eSIMの導入は、消費者に利便性をもたらすだけでなく、産業チェーン全体の高度化を促す契機にもなる。
eSIMスマートフォン業務の試験商用開始は、産業チェーン全体のeSIM技術への投資を促進し、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末、車載通信機器など、eSIM対応デバイスの更新・購入ブームをさらに牽引することが期待されている。
今後、遠隔書き込みや柔軟な利用といった特性を生かし、eSIM技術は車載ネットワーク、スマートシティ、コンシューマーエレクトロニクスなど、多様なスマートシーンへと急速に拡大していく見通しだ。これにより、各産業のデジタル化・スマート化を加速させ、あらゆるモノがインターネットにつながる(IoE)社会の実現に新たな可能性を切り開くことになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年10月16日
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