中国の科学者、全世代対応の無線通信技術を世界で初めて実現
2Gから6Gまで、1台のスマートフォンですべてに対応可能。これはSF映画の話ではなく、中国の大学研究室で実際に達成された画期的なブレイクスルーだ。北京大学の研究チームは、未来の通信世界に「万能の心臓」を搭載し、光チップ分野における体系的なブレイクスルーを示した。世界で初めて、2Gから6G+までを同時にサポートする全世代対応の無線通信技術を実現した。国際学術誌「ネイチャー・フォトニクス(Nature Photonics)」はこのほど、「バック・トゥ・バック」の形式で、北京大学の常林研究員チームと共同研究者による2本の論文を同日に掲載した。光明日報が伝えた。
この研究は何を意味するのか。常氏は、「まず、私たちが毎日使っているスマートフォンから考えてみよう。なぜスマートフォンは絶えず世代交代していくのか、考えたことはあるだろうか。実際にはスマートフォンだけでなく、通信基地局も同様だ。かつての2Gは通話が中心だったが、現在は5Gで動画視聴が当たり前となり、さらに6Gの到来も目前に迫っている。ネットワークが1世代進むたびに、通信基地局や端末にはそれぞれ専用の新たなハードウェア設備を追加する必要がある。その結果、基地局は設備が積み重なっていき、古いラジオやテレビアンテナ、衛星アンテナが詰め込まれた物置のように、重く電力消費も大きくなる。これは業界を長年悩ませてきた『ハードウェア冗長』の問題であり、スマートフォンの通信料金が比較的高い主な理由でもある」と語る。
常氏のチームがまず取り組んだ大きな課題は、この「物置部屋」を薄型の「万能デスク」に変えることだった。研究チームは光子チップと電磁メタサーフェスを革新的に「結合」させ、拡張可能な統一ハードウェアプラットフォームを提案した。常氏は、「簡単に言えば、爪ほどの大きさのチップ上で光信号を『踊らせ』、その光を変調することで、2Gから6Gまでのすべての周波数帯の無線チャネルを一度に生成ことだ。いわば、すべてのインターフェースを備えた机のようなもので、2Gスマートフォンでも将来の6G機器でも、さらには衛星通信でも、そのまま接続して利用できる。これは将来の基地局が従来のハードウェア冗長という重い負担を完全に取り除く可能性を意味し、基地局のサイズを大幅に小型化できるだけでなく、消費電力を従来の10分の1にまで低減できる可能性がある」と語る。
「道路幅」の問題を解決した後、チームは次に「車の速度」に挑んだ。常氏は、「6Gで使われる高周波信号は、足は速いが制御が難しい『暴れ馬』のようなものだ。従来の制御方式は手綱を引いて無理やり操作するようなもので、信号がずれやすいのが課題だ。これに対しチームは先進的な光学マイクロコム技術を用いてアンテナアレイを駆動し、従来のマイクロ波制御の考え方を覆し、6Gの高周波信号に対する『全次元』の精密制御を実現した。いわば、この『暴れ馬』に精密なナビゲーションシステムを装備したようなものだ。研究室の実験では、このシステムにより6Gの伝送効率が従来方式の30倍に向上しただけでなく、通信設備に『レーダーの目』を持たせることにも成功した。データ通信を行いながら、同時にユーザーの位置、速度、回転角度まで正確に感知することができる。これがいわゆる『通信・センシング一体化』だ。スマートフォンが持ち主の声を聞くだけでなく、持ち主が何をしているかまで『見る』ことができるようなものだ」と説明。
常氏は取材に対し、「『統合』と『精密』という2つの高度に関連する技術が相互に支え合い、全世代対応の無線通信システムの発展に革新的な基盤を提供する。将来、この技術的ブレイクスルーは超大容量のモノのインターネット(IoT)を推進するだけでなく、ネットワーク遅延を大幅に低減し、演算能力と端末設備の境界を打ち破る可能性がある。エンボディドAIや衛星通信など、応答速度に極めて敏感な最先端の応用分野に対しても、強力な基盤ハードウェアのサポートを提供することが期待される」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2026年3月16日
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