「スーパー銅箔」の開発成功でスマホの充電による発熱問題を解決か

人民網日本語版 2026年04月17日15:04

銅箔はスマートフォン用チップやリチウム電池の製造に用いられるコア材料の一つだが、これまでは強度・導電性・耐熱性の3つの特性を同時に満たすことが困難という課題に直面していた。

中国科学院金属研究所の盧磊研究員のチームはこのほど、秩序構造金属の分野で重要なブレイクスルーを達成し、超高強度・高導電率・高熱安定性を兼ね備えた新型銅箔の開発に成功した。これにより、長年克服が困難とされてきた「強度・導電性・耐熱性のトリレンマ」を打破し、高性能銅箔製造に新たな技術経路を切り開いた。関連成果は4月17日付の国際学術誌「サイエンス(Science)」に掲載された。

従来の銅箔は、強度を高めれば導電性が低下し、耐熱性を高めようとすれば全体性能が損なわれるという問題があった。このため、AI時代における高い演算能力や先進的な新エネルギー分野の厳しい製造要件を満たすことができなかった。研究チームは革新的に「勾配秩序構造」というミクロ設計を採用し、厚さ10マイクロメートル、純度99.91%の銅箔内に平均3ナノメートルの高密度ナノドメインを構築し、厚み方向に周期的な勾配分布を形成することで、構造的に性能のトレードオフを解消した。

この新型銅箔は主要性能指標で国際トップレベルに達している。引張強度は最大900メガパスカル(MPa)に達し、一般的な銅箔の約2倍の強度を備えている。導電率は高純度銅の90%に達し、同程度の強度を備えた従来の銅合金と比べて約2倍の導電性能を実現した。さらに、通常環境下で6ヶ月間保管しても性能劣化が見られず、極めて高い安定性を示している。これら3つの分野でのブレイクスルーにより、強度・導電性・熱安定性の「トリレンマ」を一挙に克服した。

今後、この「スーパー銅箔」によってスマートフォン用チップはより高精度化し、長時間使用しても発熱しにくくなる可能性がある。さらに、新エネルギー自動車のリチウム電池もより薄型で安全性が高く、大電流充電時のエネルギー損失も低減される見込みだ。さらに重要なのは、この技術が大規模な実用化のポテンシャルを秘めており、高性能銅箔製造に新たな道を開くだけでなく、中国の電子情報産業および新エネルギー産業の技術的自立にとっても重要な意義を備えている点だ。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年4月17日

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