北航チームのウェアラブルロボット、SMA患児の自立立位を支援

人民網日本語版 2026年05月22日14:55

外部からの支えや機械のアシストに頼らず、重さわずか960グラムのウェアラブルロボットにより、脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅱ型の患児に自立立位ができるようになった。北京航空航天大学(北航)などの研究チームは、脊髄神経運動リハビリ分野で独創的なブレイクスルーを達成し、SMAという難治性希少疾患におけるまったく新しいリハビリ手法を開発した。関連研究成果は5月20日付の「ネイチャー(Nature)」誌に掲載された。科技日報が伝えた。

SMAは重度の常染色体劣性遺伝性の希少疾患で、患児の筋肉は徐々に萎縮し力を失うため、多くの子どもは生涯にわたり座位から立位への動作を自立して行うことが困難だ。現在、薬物療法では病気の進行を遅らせることはできても、症状の回復は不可能だ。従来の歩行アシストロボットの多くはアシストを提供するものだが、SMA Ⅱ型患児のように筋肉の活性化を通じて神経機能を維持する必要がある場合、受動的なアシストは、既に力を失った筋肉をさらに「怠けさせる」可能性があり、神経筋の長期発達を阻害する恐れがある。また、従来の等速性抵抗訓練装置は大型・高価であり、患児にとって最小負荷でさえ耐え難い場合が多い。

この課題を解決するため、北航機械工学・自動化学院の馮仰剛准教授チームは、マサチューセッツ工科大学(MIT)、北京大学第三病院と共同で、この携帯可能なウェアラブル等速性抵抗訓練ロボットを開発した。同装置は安全性を確保しつつ、関節可動域全体で筋肉に最大張力を生じさせ、最適な訓練効果を実現する。さらに、ゲーム化されたヒューマンマシンインターフェース(HMI)と組み合わせることで、子どもたちはゲームのステージクリアを通して高強度訓練を自然に行える。

臨床試験の結果、6週間の高強度等速訓練により、6〜10歳のSMA Ⅱ型患児6名は、異なる角度での座位から立位への能力向上を達成しただけでなく、大腿四頭筋の筋力も顕著に増強され、筋肉と神経系の協調成長が見られた。北航機械工学・自動化学院の大学院生任佳欣氏(論文共同筆頭著者)は、「さらに驚くべきことに、この効果は訓練期間だけの『一時的なもの』ではない。ロボットから離れて日常訓練に戻っても、患者は得られたリハビリ効果を維持できる。さらに研究は、高活性等速訓練がリハビリ介入における中核的価値を明確にした。従来の低強度介入が筋肉レベルの維持にとどまるのに対し、高活性等速訓練は筋力の顕著な向上と実質的な筋肉成長をもたらす。この最新の成果は、神経筋疾患の精密リハビリ治療に新たな科学的根拠と希望を提供している」と述べた。

馮氏は、「これは従来のウェアラブルロボットとは全く異なる訓練パラダイムだ。外部支援に依存して短期回復を狙うのではなく、運動中に難易度を意図的に上げることで潜在能力を引き出すという「逆の手法」を採用している。薬物療法との併用により、より持続的な神経筋回復を導き、最終的には患者自身の力で運動機能を再構築し、生活の質を向上させることを目的としている」と語った。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年5月22日

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