公式球もグッズも!ワールドカップを彩る中国の要素
2026年FIFAワールドカップ(米国、カナダ、メキシコの共同開催)で激戦が繰り広げられ、世界の数十億人の観客がサッカーグラウンドに熱い視線を注いでいる。そこには残念ながら中国人選手の姿を見ることはできないが、会場の内外のAIシステムやチップ内蔵サッカーボールなどで構成される中国科学技術チーム、進化しつつある「メイド・イン・チャイナ」、無形文化遺産などがかつてないほど踏み込んで、幅広く、この世界的な祭典に参加している。
存在感示す中国の科学技術
過去のワールドカップを振り返ると、中国の存在感は商品販売の面にとどまることが多く、代替性が高かった。ところが今年のサッカーグラウンド上では、中国の科学技術が周辺的なサポートから中核部分への進出という質的変化を遂げた。中国企業はもはや単なるサプライヤーやスポンサーではなく、大会インフラの提供者や技術標準の策定者になりつつある。
レノボ・グループは今大会の運営、判定支援、観戦体験などの中核プロセスに深く関与している。サッカーAIスーパーエージェント、3Dデジタルヒューマン可視化ソリューション、審判視点向けAI映像強化システムなど、大会運営を全面的に支えている。

公式試合球「トリオンダ」
公式試合球「トリオンダ」は中国で生産され、500Hzチップを搭載したスマートボールブラダーは毎秒500回のボールタッチデータを記録できる。チップ内蔵型のボールブラダーを製造した企業・頂碁運動事業部の張玲課長は、「これに身体追跡技術を合わせることで、ハンドやオフサイドなどのより正確な判定を支援できる」としている。

5月29日、メキシコのモンテレイ地下鉄の1号線と2号線の乗換駅であるクアウテモック駅で列車を待つ人々。(写真提供・中国中車集団)
また交通・モビリティについては、中国中車が研究開発したLRT車両がメキシコの開催3都市で運行されている。メキシコシティがワールドカップに向け整備した新エネルギー連絡バス車両の95%以上を中国ブランドのバスが占めている。
「メイド・イン・チャイナ」に注文殺到
ワールドカップの開幕に先立って、「メイド・イン・チャイナ」はすでにW杯グッズ商戦の舞台に姿を現している。サッカーボール、ユニフォーム、フラッグ、おもちゃのびっくりチキン、トロフィーをモチーフにしたオブジェなど、さまざまな関連グッズに「世界のスーパー」浙江省義烏市の存在感が感じられる。
メディアの報道によると、義烏の老舗メーカーの多くが、今年のW杯関連の注文は歴代の大会に比べて20-30%増加するとの見通しを示し、中には5倍も増えるメーカーもあるという。

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)
義烏とスペイン・マドリードを結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」の「義新欧号」の運行や、寧波舟山港に隣接するという地理的優位性により、義烏は海・陸・空を全てカバーするグローバル物流ネットワークを構築している。この物流網により、製造したW杯グッズを工場でトラックに積み込めば、20日あまりで欧州の競技場へ届けることができ、アメリカ大陸や中東へも確実に届けることのできる成熟した専用ルートがある。
中国人の主審は24年ぶり

北京時間6月21日午前8時に行われた1次リーグE組第2戦のエクアドル対キュラソーの試合では、主審は中国の馬寧さんが、副審は周飛さんが務めた。馬さんがW杯の試合で主審を務めるのはこの試合が初めてで、中国人審判員がW杯の試合で主審を務めるのは24年ぶりのこととなる。
開会式に中国のアートトイ「LABUBU」が登場
北京時間6月12日に行われた2026年FIFAワールドカップの開会式に、中国のアートトイ「LABUBU(ラブブ)」が登場し、会場が大いに盛り上がった。この中国オリジナルアートトイIPは、見事な海外進出を果たした。

開会式に登場した「LABUBU」
長年にわたり、W杯のファンは男性がメインであるのに対して、「LABUBU」の主なファンは若い女性となる。「LABUBU」を招待したのは国際サッカー連盟(FIFA)で、その目的はファンを増やし、若者の心を掴むためだ。
また、FIFAが初めて、アートトイIPとW杯とのコラボレーションを公認した「LABUBU(ラブブ)アメリカ・カナダ・メキシコW杯シリーズ」のぬいぐるみを打ち出した。特製ユニフォームを着て、取り外し可能なレプリカのW杯トロフィーを手に持ったラブブぬいぐるみは、細部までこだわったデザインで、可愛らしいラブブとサッカーに対する熱い思いが融合されたデザインになっている。
無形文化遺産とワールドカップのコラボ
W杯開催に合わせて、FIFAは中華圏において、「無形文化遺産とワールドカップのコラボ」をテーマにした特別プロジェクトを実施している。中国の伝統的な手工芸品が公式グッズとして大規模に採用されるのは、約100年の歴史を誇るワールドカップ史上初めてのことだ。文化的価値や転化能力といった次元からふるいに掛けられ、最終的に、雲南省の彝(イ)族の伝統的な刺繍「彝繍」、広西壮(チワン)族自治区伝統の織物「壮錦」、寧夏回族自治区の無形文化遺産・麻編(麻ひも編み作品)といった無形文化遺産の技術が選出された。

寧夏の「麻編」文化クリエイティブグッズ

2026年FIFAワールドカップの公式ライセンスを取得した壮錦シリーズの商品(撮影・雷琦竣)。
中国は「異なる方式」で今大会の主役に
これはまさに海外メディアが「中国は異なる方式で今大会の主役となっている」と評している言葉通りと言える。奥深い中国の伝統文化が詰まった無形文化遺産のグッズがワールドカップとコラボするというのは、近年、海外進出を展開している中国の無形文化遺産の縮図となっている。単純な「展示」から、「じっくりと体験する」へとシフトされている中国の無形文化遺産は、世界の文化構造において影響力を高め続けている。「LABUBU」が中国は「製造能力が高い」ことを伝えているだけでなく、中国には「かわいい」という一面もあることをPRしている。「華夏時報」は、「見られる」から「必要とされる」という役割の躍進の裏には、中国の科学技術力の長年にわたる蓄積と本領の発揮にあるが、これは中国ブランドのビジネス戦略が日増しに理性的になっていることの現れでもあると報じている。
「人民網日本語版」2026年6月30日
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