2026世界ロボット大会 民生シーンを支援するエンボディドAI

人民網日本語版 2026年08月25日13:48

2026世界ロボット大会が8月19日、北京亦荘(北京経済技術開発区)で開幕した。筆者が大会の展示会場に足を踏み入れると、すぐに生活感あふれる光景に引き込まれた。展示ブースに並んでいたのは、もはや冷たい印象のロボットアームではなく、服を畳んだり、物を片付けたり、子どもと会話したりするロボットだった。数多くの科学技術イノベーション企業や研究チームが、民生シーンにおけるさまざまな場面に焦点を当てた成果を披露していた。科技日報が伝えた。

これらの展示品はいずれも、明確なメッセージを発している。近い将来、ロボットは研究室を飛び出し、人々の日常生活に急速に普及していくということだ。

家事ロボット:服を畳み、物を片付ける

2026世界ロボット大会の「未来生活」展示エリアでは、星海図(北京)人工智能科技股份有限公司のR1シリーズロボットが来場者に服を畳む技術を披露していた。ロボットは、丸めて乱雑に置かれたTシャツやシャツをまず認識し、つかんで広げ、そして、きれいに畳み、最後に所定の場所に戻す。一連の動作をよどみなく行い、かかった時間は1分にも満たなかった。筆者がわざと、ロボットが畳み終えたばかりの服に手を伸ばして乱すと、ロボットは1秒もたたないうちに再び整理し、服を畳み直した。

服を畳んでいるR1 Proロボット。

服を畳んでいるR1 Proロボット。

筆者がさらに驚いたのは、R1シリーズロボットの物をつかむ能力だ。展示台には、リンゴ、ボールペン、リモコン、ティッシュボックスなどがテーブルの上に散らばっていた。筆者が何気なく「文房具を左側の引き出しに片付けて」と声をかけると、ロボットは経路を計画し、両腕を連携させて正確に作業を完了した。オフィスの場面では、書類の受け渡し、シュレッダー処理、物資の運搬などもでき、まさに「万能アシスタント」だ。

今年、R1シリーズロボットは北京経済技術開発区栄華街道のスマート健康・介護ロボット高齢者ケアステーションに導入された初日から、そこで暮らす高齢者の服やタオルの整理を行った。ステーション内は物の配置が雑然として変化も多いが、このロボットは安定した性能を発揮し、介護スタッフの日常的な細かな作業の負担を軽減している。その分、スタッフは高齢者の健康管理や心のケアにより多くの時間と労力を振り向けることができる。

ロボット犬:家族に温かな寄り添いを

展示会場の別の一角では、京東集団の展示ブース内に設けられた南京蔚藍智能科技有限公司の展示エリアが、親子連れで身動きが取れないほど混雑していた。1台の白い四足歩行ロボット犬が人々の間を自律的に巡回し、子どもに出会うと自ら立ち止まり、首をかしげて「見つめる」様子に、子どもたちは大喜びして笑い声を上げていた。

同社のブランドマネージャーである知客氏は、「私たちはこのロボット犬を単なる機器ではなく、『家で暮らす』新しい家族の一員と位置付けている」と述べ、「今年5月に発表され、下半期の発売が予定されている四足歩行の伴侶ロボット犬『BabyAlpha A3』は、自社開発のマルチモーダル・エンボディドAIブレインと『WEILAN Hybrid X1.0』演算能力アーキテクチャを搭載し、その総合的な演算能力は前世代製品の1000倍に向上している。従来のリモコン式ロボット犬とは異なり、BabyAlpha A3はユーザーの指示を待つ必要がない。自ら家庭内の環境を巡回し、家族を認識することができる。また、いつ静かにしているべきか、いつ近寄ってあいさつするべきかを自ら判断できる」と説明。

子どもに物語を読み聞かせるロボット犬。

子どもに物語を読み聞かせるロボット犬。

このロボット犬を購入した会場の来場者、石さんは取材に、「5歳の息子は毎晩夕方になるとロボット犬を連れて階下へ散歩に行く。家に帰ると、ロボット犬が一緒に絵本を聞いたり、会話の練習をしたりしてくれる。子どもの突拍子もない質問にも答えてくれる」と話した。

健康・介護向け人型ロボット:病室を巡回し、薬を届ける

別の展示エリアでは、病室を模した空間を行き来する人型ロボットが筆者の目を引いた。身長は約145センチ、ずんぐりした体型ながら機敏に動き、狭い通路でも自在に前進・後退できる。

軟通動力情報技術(集団)股份有限公司の副総裁兼人工知能工学研究院院長、雒冬梅氏は、「これは当社のA2インタラクティブ・インテリジェント版健康・介護向け人型ロボットだ。関連技術は、入院時の評価から退院後のフォローアップまで、健康・介護サービスの全サイクルをカバーする一連の仕組みに対応している。このロボットは23の自由度を持ち、当社が独自開発した「ArtisanTongOS星雲」大脳・小脳協調オペレーティングシステム(OS)を搭載している。大脳がタスクの計画や感情認識を担当し、小脳が運動の実行を制御する。そのマルチモーダルなインタラクションの応答遅延は200ミリ秒未満で、ユーザーはほとんど遅延を感じない」と説明。

高齢者施設で食事を配膳するA2インタラクティブ・インテリジェント版健康・介護向け人型ロボット。

高齢者施設で食事を配膳するA2インタラクティブ・インテリジェント版健康・介護向け人型ロボット。

その説明の最中、ロボットが「病室巡回」という指令を受けると、自律的に模擬病室へ向かった。筆者が後ろからついていくと、ロボットは模擬ベッドの前で停止し、患者に服薬時間を知らせた。そして、模擬患者が転倒している状態を認識すると、直ちにナースステーションへ警報を送った。一連の作業には人間による介入はなかった。

別の感情ケアのデモエリアでは、ロボットが模擬患者にリハビリテーションに関する知識を説明していた。穏やかな口調で話す姿を見た数人の来場者は、思わず「人間よりも忍耐強い」と感嘆した。

筆者が確認したところ、このロボットは現在、スマート教育、病室巡回・モニタリング、薬剤配送、感情ケア、安全巡回、活動支援、物品・食事の配達という7つの主要機能を備えている。将来的には、エンドエフェクターを交換することで、リハビリテーション・理学療法や生活介助の機能も備える可能性がある。

雒氏は、「このロボットは7日間、24時間、途切れることなくサービスを提供できる。このロボットは人間に取って代わるためのものではない。医療・介護スタッフを反復的で機械的な作業から解放し、専門的な診療や人間的なケアに力を注げるようにするためのものだ。モデルの継続的な改良に伴い、将来、ロボットがさらに複雑で精密な作業を遂行できるようになることを期待している」と話す。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年8月25日

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