中国の李克強総理は10日、夏季ダボス会議(天津)開会式で「中国経済を見るには、目先、一部、『1科目』だけを見るのではなく、それ以上に趨勢、全局、『総得点』を見る必要がある。中国経済には大きな強靱性、潜在力、行動の余地がある。われわれの講じる措置は当面の利点とともに、長期的効果のあるものであり、大きな起伏を防ぐ能力があり、ましてや『ハードランディング』はあり得ない」と表明した。
また、数字を挙げて上半期の経済発展について説明。「中国経済は下押し圧力が強まる中で、安定しつつ質の向上を実現した」との認識を示した。
上半期、中国の経済成長率は7.4%で、消費者物価は2.3%上昇した。成長率が鈍化する中、1~8月の31大・中都市の調査失業率は5%前後を保ち、都市部では前年同期比10数万人増となる970万人余りの新たな雇用が創出された。新規登記市場参加者は800万余りで、1千万人以上の雇用につながった。電子商取引、流通・宅配便など新産業、新ビジネスモデルが急速に成長した。新規登記サービス業の増幅は70%以上に達した。高エネルギー消費、高排出業種の投資・生産の伸びは明らかに減速し、単位GDPあたりのエネルギー消費は前年同期比4.2%減少、炭素排出は5%前後減少し、長年来最大の下げ幅となった。
李総理は「中国経済を見るには、目先、一部、『1科目』だけを見るのではなく、それ以上に趨勢、全局、『総得点』を見る必要がある。中国経済には大きな強靱性、潜在力、行動の余地がある。われわれの講じる措置は当面の利点とともに、長期的効果のあるものであり、大きな起伏を防ぐ能力があり、ましてや『ハードランディング』はあり得ない」と強調した。
李総理は同時に「われわれの発展には困難も試練もないと言っているのではない。反対に、われわれの直面する困難や試練は依然として極めて大きい」と指摘した。今後4カ月間について、李総理は「安定成長、改革促進、構造調整、民生改善、リスク防止を統合的に計画し、マクロコントロールの構想と方法を絶えず完全なものにし、革新し、一定範囲内のコントロールを基礎に方向性あるコントロールを強化し、構造的改革・調整を推し進め、躊躇することなく断行する、背水の陣の決意を固め、全局に影響がおよぶ重点改革を推し進め、長期に着眼して眼前の問題を解決する」と表明。次の3点を挙げた。
(1)引き続き政府自身の革命から着手し、政府機関の簡素化と権限の地方等への委譲を一段と拡大し、財政・税制改革を深化し、予算管理制度改革を推し進めて、公共資金の公平で有効な使用を図る。
(2)引き続き深い構造的矛盾の解決を押さえ、公共財の有効供給をさらに増加して、有効需要につなげ、投資の不足点を補い、住民消費を拡大し、新たな成長分野を開拓する。
(3)引き続き財政・金融資金を活用、活性化して、実体経済と新興産業、新興業態への支援を拡大し、「三農(農業の振興、農村経済の成長、農民の所得増と負担減)」、小規模企業、サービス業に一層の恩恵を与える。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月11日