中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)の開幕が近づき、同展覧会にお目見えする航空機に注目が集まっている。国産新型輸送機「運20」や新型ステルス戦闘機「殲31」が、同展覧会で初めて展示される予定で、米国も大型長距離輸送機「C17」を出展する。エアショーのさまざまな話題の中でも、最も関心が集まっているのは、何といっても「殲31」だ。新華網が伝えた。
中国の第4世代戦闘機「殲31」の実物が初公開されることは、大変意義深い。その理由として、以下の3点が挙げられる。
1.「殲31」が第4世代ステルス戦闘機であるということは、それまでに、旧モデルの研さんと改良を重ねた結果、完成に至ったことを意味する。出展側は、様々な専門的な質問に答える必要があることから、もし開発中に解決できなかった問題が残されているなら、エアショーという晴れ舞台で、面目が丸つぶれとなる。「『殲31』の研究開発がどのような状態で進められたのか」「第4世代戦闘機の研究開発において生じたいくつかの問題点が『殲31』の完成時点で完全に解決できたのか否か」といったポイントは、エアショーにおいて注目に値するトピックスだ。
2.「殲31」をエアショーに出展する隠された意図は一体何なのか?新型戦闘機をエアショーに出展し、国内外の観衆の前で披露することは、展覧会自体が「殲31」販促のためのプラットフォームとしての役割を果たしており、今後、国際軍事貿易市場への参入を図っていることを意味している。
中国はこれまでに、一連の軍事貿易製品を発表したことがあったが、当時打ち出した戦闘機のタイプは、海外の最先端を行く戦闘機に比べ、一世代か二世代遅れており、世界最先端の戦闘機と同型のものを市場に出したことはない。「殲31」が国際市場に参入する可能性があるなら、中国の国際貿易輸出にとって、ひとつの大きな突破口となるだろう。
これは、中国航空工業にとっても非常に大きな意味がある。ひとつの国家の航空工業が国内需要だけに頼り続けることはあり得ないため、軍需企業の生産・研究開発を考える上で、国内投資だけに依存していては十分とはいえない。国際市場競争に効果的に参加することができず、国際市場資金を十分に活用することが不可能だとすれば、持続的発展の道は閉ざされる。
3.「殲31」が珠海エアショーに出展する意味は、これだけではない。同機の開発は、もともと、中国軍が立案したものではなく、航空企業が投資し、自主開発したものだ。同機が最終的に軍による認可を受け、国際軍事貿易市場から一定の評価を得ることができれば、新たな活路が開けることは間違いない。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年10月27日