京都出身のアーティスト、辻一弘さんはさまざまな型や彫刻技術を駆使して本物そっくりのリアルな胸像を制作した。これらの作品は、まるで生きている人物のようで、マダムタッソーのろう人形も真っ青になるほどの出来栄えだ。米サイト「Odditycentral」の報道を引用して、国際在線が伝えた。
辻さんは子供のころから芸術、絵画、撮影、自然、科学技術分野で非凡な才能を発揮してきた。その後、さまざまな仕事を経験した辻さんは、最終的に「肖像画法」という情熱を傾けることができる分野に出会う。しかし、学費を捻出できず大学に行けなかった辻さんは、独力で特殊メイクアップの勉強を始めた。
メイクアップ技術の研鑽を重ねた辻さんに、ついにその努力が報われる日が訪れる。ホラー映画「スウィート・ホーム」でメイクアップアーティストとして初めての仕事を手にしたのだ。その後、自分の会社を設立し、多くの映画の撮影に加わると同時に、代々木アニメーション学院で特殊メイクを教えた。そして、最終的に、辻さんの才能と評判はハリウッドに伝わり、「メン・イン・ブラック」や「猿の惑星」「グリンチ」などのハリウッド大作のメイクアップを担当、さらには米アカデミー賞のメイクアップ部門にもノミネートされた。
これらの経歴によって、辻さんは肖像画や彫像作品に必要な材料や技術を理解した。彫像アーティストとして、辻さんはすでにアブラハム・リンカーンやダリ、アンディ・ウォーホールなど、本物そっくりの胸像を数多く制作している。そのうち、最も大きな注目を集めたのが、リンカーンの胸像だ。同作品は、2014年に、ロナルド・レーガン大統領基金会とロナルド・レーガン大統領図書館が共催した「リンカーンの生活と時代」展でも展示された。
辻さんの彫像は、決して命のない複製品ではない。逆に、これらの彫像はまるで生きているかのようで、感情の豊かな光を放っている。樹脂やシリコン、顔料など、命をもたない物質を使い、これほどまでに複雑な感情を表現できることに驚愕させられる。辻さんは、「本質的に言えば、私の仕事は自然を再現すること。我々の芸術は現実主義に属する。自然を超える造物者なんてありえない。良いアーティストは自然の奥深さや言葉を理解することができる」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年1月22日