記者が13日に入手した情報によると、中国第31次南極観測隊は1月末に南極内陸部の氷床最高地点、標高4093メートルのドームAエリアで172メートルの氷床深層コアの掘削に成功した。これは中国が2009年より準備を開始した極地氷床深層コア掘削プロジェクトが、すでに正式に掘削の段階に入ったことを意味する。新華網が伝えた。
氷床深層コアは大自然の「年輪」のようなもので、異なる年代の氷雪の蓄積によって形成される。毎年の環境・気候状況が異なるため、当時の表層の性質にも差が生じる。ゆえに氷床深層コアは、数百万年にわたる地球の気候の変化の状況を、直感的に反映することができる。特に氷床深層コアには数万年前の空気が保存されていることが多く、その成分を調べることで、古代の大気の状況を推測し、それに基づき未来の気候変動の動向を予想することができる。
氷床深層コア掘削プロジェクトの現場責任者、中国極地研究センター補助研究員の安春雷氏によると、氷床深層コア掘削技術は非常に複雑で、かつ南極内陸部の長期的な掘削作業は極地観測の後方支援能力により厳しい要求を突きつけることになる。ゆえに1980−90年代より、氷床深層コアの掘削と研究は、米国、ロシア、日本などの先進国に独占されていた。
中国は2009年の第26次南極観測の観測期間中に、現地で氷床深層コア掘削拠点の建設を開始し、2013年の年初に試験的な掘削に成功した。中国は4−5年をかけて、ドームAで3000メートルの氷床深層コアを掘削し、100万年以上の時間的尺度の地球の気候・環境の変動に関する情報を入手する予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年2月16日