中国・上海で開催された2015年世界フィギュアスケート選手権が28日、閉幕した。同日、最後に行われた男女のフリーで、スペインのハビエル・フェルナンデスがシーズンベストを記録し、スペインに初めての金メダルをもたらした。日本の羽生結弦は4回転で連続ミスがあり、銀メダルに終わった。3位には、フリーで素晴らしい演技を披露したカザフスタンのデニス・テンが入った。中国の閻涵は実力を発揮できず、10位となった。
金メダル候補の筆頭は前回大会で優勝を飾り2連覇を狙う羽生結弦(20)。27日に行われた男子SPで首位発進した羽生結弦は、フリーで大きなミスがない限り金メダル獲得が硬いと思われていた。最後から4番目に登場した羽生結弦は、「オペラ座の怪人」の音楽に合わせた演技の冒頭で、4回転サルコウが2回転になり、続く4回転トゥーループで転倒するなどジャンプを連続失敗。フリーで175.88点とし合計271.08点で暫定1位に立つが、この成績は一瞬にして逆転される。
その後に登場したヨーロッパ選手権3連覇のハビエル・フェルナンデスがフリーで3回もの4回転ジャンプを披露。1回目でミスがあったものの、最小限のミスに抑え、残りの2回を完ぺきに決めた。歌劇「セビリアの理髪師」の軽快で楽しい音楽に乗って、イケメンでスマートなフェルナンデスが流れるような滑らかな滑りと自然かつ芸術的な表現力で会場にさわやかな風をもたらした。フェルナンデスのフリーは、羽生の点数を超え、合計273.90点で1位に躍り出た。
ハビエルと羽生は同じブライアン・オーサー・コーチに師事しており、普段からカナダで一緒にトレーニングを積んでいる。2人は演技終了後、控室でしっかりと抱き合い、ハビエルは涙を流す羽生を慰めていた。ハビエルは、「羽生は打ち負かすことができない存在で、羽生に勝てるとは夢にも思っていなかった。この優勝は翌シーズンさらに努力するように僕を激励してくれるもの」と語った。一方、羽生は、「以前はハビエルが『おめでとう、誇りに思う』と祝ってくれていた。逆の立場になって、チームメートとして誇りに思うけど、自分はそんなに心が広くないから、『悔しい。次は絶対に勝ってやろう』と思った」と語っている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年3月31日