歴史の秘密を暴く映画『旋風九日』が昨日北京で封切られた。15日から中国全土で上映される。鄧小平氏が訪米時に遭遇した暗殺の危険を再現した映画だ。さらに映画としては初めて国家指導者をアニメで表現している。新京報が伝えた。
1979年1月28日から2月5日にかけて、鄧小平副総理(当時)はカーター米大統領の招待で米国を9日間公式訪問した。鄧小平夫妻はワシントン、アトランタ、ヒューストン、シアトルを訪問した。
■暗殺者:記者とKKK
映画によると、訪米中に鄧氏は2回暗殺されかけた。最初はホワイトハウスでカーター大統領(当時)との会談時、突然騒ぎが起きた。米国務省の発行した合法的な記者証を持つ記者2人が暗殺を試み、警備員に連行された。このような状況を前に、74歳の鄧氏は冷静な表情で一瞥をくれただけだった。カーター大統領が「この事件が妨げとならないことを希望する」と話しかけると、鄧氏は「もちろんならない」と応じた。
鄧氏は米国のテロ組織クー・クラックス・クラン(KKK)メンバーにも暗殺されかけた。当時鄧氏が招待を受けて夕食とカウボーイショーのためにエレベーターを降りてホテルのロビーにはいると、突然男が飛びだしてポケットの中の物を鄧氏に投げつけた。孫勇・中央警備局副局長兼警備団団長、張宝忠・警備参謀らが鄧氏を外へ護衛し、米側警備要員が襲撃者を制圧した。ロビーへ出ると、別の中年の男がコートのポケットに右手を入れて勢いよく歩いてきた。米側SPが拳銃の所持を疑い男を押し倒し、他の要員が鄧氏を護衛した。
■監督:敏感なことを回避せず
傅紅星監督によると、映画の全てのエピソードの出典、資料、対話は真実で、多くの資料が米国が機密解除した国務省の外交書類に基づいている。映画は鄧氏訪米9日間のいかなる敏感な出来事も回避しなかった。
呂木子プロデューサーによると、映画の90%以上の映像資料は米国から購入。90%以上の現地取材も制作チームが当時の鄧氏の訪米ルートに沿って撮影したものだ。当時、世界1000社ものメディアが鄧氏の訪米を取材し報道した。
「これらの貴重な資料には、知られざる秘密が多く含まれる。米国でも初めて機密解除され、鄧氏の家族も見たことがないものだ」と呂氏は語った。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年5月13日