李克強総理は現地時間29日午後、ブリュッセルの欧州理事会本部でトゥスクEU大統領、ユンケル欧州委員長と第17回中国・EU首脳会議を行った。
李総理は「外交関係樹立以来40年、双方関係は発展し続け、双方間、地域、国際レベルで協力を日増しに深化し、相互信頼を強化し続けている。中国とEUは発展理念が通じ合い、人的・文化交流が緊密であり、勢いに乗じて行動し、連携して共に進み、挑戦する勇気を持ち、中国・EU関係の新局面を切り開くべく努力すべきだ」と表明し、次の提案を行った。
(1)中国・EU関係の戦略的方向性を把握する。戦略的観点、グローバルな視野から互いを受け止め続け、平和的発展、開放・包容、協力・ウィンウィンの理念を共同提唱し、双方の利益の一致点を拡大し、中国・EU関係の持続的で健全な安定した発展を推進し、新たな段階へと押し上げ続ける。
(2)協力の新天地を切り開き、「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)、国際生産能力協力などの提案を欧州投資計画と効果的に連結させ、コネクティビティの強化と経済成長を推し進め、第三国市場を共同開発する。
(3)交流し、互いに参考にし、支持し合う。中国は欧州統合を一貫して支持しており、EUも中国の改革開放と近代化を一貫して支持している。新たな情勢下、中国とEUは互いの経験を参考にし合い、各分野の対話と交流を強化し、相互理解を強化し、経済と社会の持続可能な発展を促進する必要がある。
(4)人的往来の円滑化を推進する。中国側はEUが領事館のない中国の15都市にビザセンターを設立し、中国国民のEUビザ申請を円滑化することに同意する。双方がさらに多くの措置を講じて、ビジネス、観光、留学ビザの面で便宜を図り、双方の人的往来を促進し、双方関係を支える民意の土台を突き固めることを希望する。
(5)世界の必要とする公共財の提供に共に努力する。世界の発展には平和な国際環境と安定した地域環境が必要だ。世界反ファシズム戦争勝利と国連創設70周年にあたり、中国と欧州はともに戦後国際秩序の参加者、建設者であり、国連憲章の趣旨と原則を断固として奉じ、世界の平和と安定を促進する必要がある。中国側はEU側と共に、気候変動など世界的な試練に対処することも望んでいる。
トゥスク大統領とユンケル委員長は中国・EU関係の一層の発展についての李総理の提案に賛同。「中国はEUにとって高度に依存する経済パートナーであり、グローバルな問題に連携して対処する政治パートナーでもある。中国側と各分野の実務協力を拡大し、雇用と経済成長を促進したい。国連など多国間の場で意思疎通と調整を強化し、気候変動対策、貧困削減、国際平和・安全保障分野で緊密に連携し、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、ポスト2015年開発アジェンダなどの国際的努力において成功を得るべく努力したい」と表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月1日