中日両国の若者十数人による「中日友好フリーハグ」活動が5日午後、人通りの多い東京・渋谷の街で行われた。同活動は在日中国人留学生が発起人となって始めたもので、「中日友好」と書かれた看板を掲げ、道行く見知らぬ人にハグをして中日友好を態度で示し、積極的に両国の友好交流を呼びかけた。人民網が伝えた。
若者と外国人観光客が集まる渋谷で行われたフリーハグ活動は、道行く人々の注目を集めた。多くの日本の人々や外国人観光客が同活動に参加し、主催者側の中日の若者とフリーハグを行った。まさに梅雨の真っ只中の東京では同日小雨が降っており、日中両国の若者は雨に濡れながらも渋谷の街に立ち、道行く人々をハグで迎えた。
見知らぬ人とハグをするフリーハグ活動は欧米諸国で始まり、ハグをすることによって人と人との距離を縮め、暖かさと好意を伝えることを目的としている。「中日友好フリーハグ」は在日中国人留学生の張瀟さんが発起人となり、ネットなどを通して活動を広め、日本人学生とほかの中国人留学生との積極的な賛同を得て行われている。
「中日友好フリーハグ」活動は、張さんが他の日本人学生2人と共に立ち上げたもので、昨年の7月からスタートし、この1年弱の間に東京で12回の活動を行った。同活動は北京でも行われたことがあるほか、今年の夏休みには、山梨県、北海道、大阪府、京都府、和歌山県、福岡県などでも行われる予定だ。
張さんは、「この活動を行ったのは韓国在住の日本人に啓発されたことによる。この日本人は韓国でフリーハグ活動を展開しながら日韓友好交流を提唱しており、その行動に深く心を打たれた。そして、自分に置き換えて考え始めた。すでに日本に暮らして10年になる自分は、中国と日本のことも理解しており、こういった自分の優位性を活かすべきであり、日本人に向けて中国を紹介すると同時に、中国人に向けて日本を紹介し、中日交流のため、自分のできる範囲内でできる限りのことをやろうと考えた」と語る。
「ハグをした日本人の中には、中国に行ったことがある人や中国に対してある一定の理解がある人々がいたし、僕たちを励ましてくれようとする人々もいた。現在、中日関係は難しい時期にあり、国民の相互の好感度も低い状況の中、あえて積極的に中日友好を呼びかける態度に敬意を表してくれる日本人も少なくなかった」と張さん。
このほか、張さんは活動中に心が励まされた忘れられない2つの出来事を語った。気温が非常に高い日に張さんとメンバー数人が渋谷の街で活動を行っていると、一人の日本人の中年男性がフリーハグに参加し、その場を去った数分後にまた戻ってきて、ペットボトルのミネラルウォーター数本を届けてくれたという。この男性は、「こんなに暑い中、活動を行うのは大変でしょう。でも頑張ってください」というねぎらいの言葉をかけてくれたという。もう一つの出来事は、東京の銀座の街で、日本に住む親戚を訪ねに来たという中国の老人が張さんの活動を見て、感動のあまり涙を流したことだという。その後、話をしてわかったのは、この老人の娘さんは、日本で仕事をして、日本人と結婚しようとしており、このことで老人は複雑な思いを抱いていた。日本や日本人には優れた点がたくさんあることをわかってはいるものの、内心ではやはり日本に対する偏見やわだかまりが拭えなかった。この老人は張さんに、「あなたがたが行っているさまざまな交流活動が両国民の相互理解を促進し、偏見をなくすことを希望している」と語ったという。
同活動に参加した他の中日の青年も張さんと同じような考え方を持っている。すでに同活動に4回参加した日本人の亀丸佳花さんは、「私は中国人の親友がいるので、中国に関わることに非常に興味をもっている。個人の力には限界があるが、小さなことから始めるだけでも、両国間の相互理解は促進されると思う。そういう思いから同活動に何度か参加している」と語った。
中国に留学したことがある山本晶さんは、「今日は、日本と中国が仲良くしたいという人がこんなにたくさんいるんだよということを伝えたくて、この活動に参加しました。この活動に参加するのは初めてで、始めは周りの人々の理解を得られないのではないかと心配したが、参加者の情熱的なハグを受け、笑顔を見たことで、急にやる気が出てきた」と語った。
わざわざ茨城県から東京に出てきて同活動に参加したという中国人留学生、鄭光明さんと王志華さんは、ネットでこの活動のことを知り、同活動を通して中日両国の友人を作り、中日友好を促進したいと思って参加したという。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年7月6日