日本のフリージャーナリスト・土井敏邦氏が撮影した、韓国元「慰安婦」の証言が込められたドキュメンタリー「“記憶”と生きる」が4日、日本のあるミニシアターで上映された。新華網が伝えた。
「“記憶”と生きる」が上映された映画館・アップリンクは東京都渋谷区にある。同日、約100人の観客が2つのミニシアターで3時間半に渡るこのドキュメンタリーを鑑賞した。設備の問題で上映が何度も中断されたが、観客らは最後まで静かに映画を見ていた。
「“記憶”と生きる」は土井氏が1994年から1996年まで、韓国元「慰安婦」が住んでいた「ナヌムの家」で取材した映像を編集したもので、7人の元慰安婦の証言が記録されている。元慰安婦たちはドキュメンタリーで、「日本軍の軍服を作る」、「看護婦になる」などの理由で騙され、あるいは強制的にシンガポールや上海などに連行されて、日本軍の「慰安婦」や「日本軍長官への『処女の貢物』」として奉仕させられ、粗末な部屋で日本軍の性奴隷になったと告発している。
映画終了後のインタービューで、土井氏は「我々は自国の被害を語る時、被害者のイメージが具体的で明晰であることから、それらの記憶を深く心に刻んでいる。しかし、我々はノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキと叫ぶ一方、ノーモア・南京と言う人は1人もいない。我々は南京で日本軍に侵犯、殺害された人々のことを全く知らないから、被害者の苦しみを感じ取ることができない。慰安婦問題もそうだ」と語った。
土井氏は以前、自分のブログで「“記憶”と生きる」を日本で上映するにあたって多大な困難に直面しており、多くの映画館に拒否されたと明らかにしている。上映当日、2つのシアターはほぼ満席だったが、鑑賞人数はまだ100人足らず。これとは対照的に、映画館の近くにある渋谷前広場では、日本右翼団体による「『朝日新聞』をボイコット、輿論圧力に反対」といった活動が盛んに行われていた。日本国民が「慰安婦」など歴史問題に注目するようになり、深く考えるようになるまでの道のりは、まだまだ先が長そうだ。(編集XM)
「人民網日本語版」2015年7月6日