「鉄瓶は日本の茶文化の象徴だ」そう語るのは、鉄瓶収集家の周立波氏だ。周氏は、わずか2年余りの間に日本を5回以上訪れ、これまでに50個以上の古い鉄瓶を購入してきた。周氏にとって、日本の古い鉄瓶を収集することは、実は日増しに薄まる文人の風情や文化の余韻をすくいとることだという。周氏によると、日本の古い鉄瓶の集散地である京都は、鉄瓶の量が多く、質も相対的に高いため、毎回日本に行くたびに京都に足を延ばす。観光の時間が少なくなったとしても、少なくとも丸1日は鉄瓶を購入するのに時間を費やすという。新快報が伝えた。
■骨董の鉄瓶は文人が愛玩する対象
「なぜ日本の鉄瓶を好きになったのか?」。この問いについて周氏は、「元々は茶文化への重視や日本の茶道への傾倒がある」と答えた。周氏は普段から品茶を行ったり、茶について論じたりする習慣があり、本当に茶を楽しむ人は、中国の茶文化は唐宋時代に源流を持つことは間違いないと考えているという。「しかし、残念なことに、後世の人々は唐の時代に形成された茶風や茶の礼儀作法を保護することなく、近現代以降はさらに戦火によって茶文化が途絶え、急速に変化する慌ただしい社会の中で、のんびりとお茶を楽しむ気持ちを語るような雰囲気ではなくなってしまった。しかし、日本では中国の茶文化がしっかりと継承され、独特で魅力的な茶道が保存されている」。周氏は、「鉄瓶は日本が見本とし、継承してきた中国茶文化の動かぬ証拠であり、唐の時代の文化の標本である」と語る。