2015年9月24日  
 

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中国から日本に伝わった伝統工芸 伝統へのこだわりとイノベーション

人民網日本語版 2015年09月24日08:16

手作業で錫器を製造する大阪錫器の職人。大阪市で堺打刃物を専門に販売する店を出すアメリカ人。堺打刃物の生産工芸を紹介してくれた。職人は約1000度の炉の前で堺打刃物を製造する。堺打刃物を研ぐ伝統工芸士・山本真一郎さん。線香を作る梅栄堂の職人。梅栄堂が開発したコーヒーや緑茶、イチゴなどの香りの線香。そうめんの生産法を紹介する三輪そうめん山本の職人。
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中国と日本は、一衣帯水の隣国であり、2000年以上の交流の歴史を持つ。そして、相互交流の中で、中国は、先進技術や宗教、文化、食習慣、生活習慣などを日本に伝えた。筆者はこのほど、日本の政治や文化、経済の中心であり続けた関西地方を訪問し、中国から日本に伝わった伝統工芸を取材した。伝統工芸に携わる職人たちは、伝統にこだわりながらも、新しい商品などの開発に取り組み、伝統工芸に新たな魅力を加えていた。人民網が報じた。

1.大阪錫器

錫器(すずき)は西暦7-9世紀に、中国から日本に伝わった当時、宮中での器や有力神社の神酒徳利、榊立などの神仏具としてごく一部の特権階級のみ使用されていた。その後、江戸時代に、生活用具として一般家庭の生活の中に浸透していくようになった。そして、技術が発展するようになり、錫を使って酒器や茶器、食器、装飾品なども作られるようになった。

近年、生活スタイルが変化するにつれ、日本の若者が錫器を使うことはあまりなくなった。そのため、錫器を製造する「大阪錫器」は、伝統的な生産工芸を堅持しながらも、イノベーションにも取り組み、若者のライスタイルに合わせた商品を開発し、人気となっている。

2.堺打刃物

考古学研究によると、鉄器は弥生時代に中国や朝鮮から日本に伝わった。その後、中国や朝鮮との交流の中で、日本人は少しずつ、鍛冶などの鍛造技術を身に付けて行き、西暦5世紀に、その技術が現在の大阪府堺市に伝わった。平安時代末期、堺市では鍛造技術を使って、刃物製品が作られるようになった。日本のレストランなどのコックが使用している包丁の約9割が「堺打刃物」という。

堺打刃物的の製造工程は大きく分けて鍛冶、研ぎ、柄付けの3工程。それぞれの職人が専門の技術をもって生産する分業制だ。堺打刃物を作る職人は毎日、約1000度の炉の前で、十数時間も仕事をしても、包丁を10本程度しか作れないという。堺市に住む山本英明さん(81)は、13歳の時に父から研ぎの技術を教わるようになった。山本さんの息子や孫も家業を継ぎ、堺打刃物を研ぐ職人として働いている。堺打刃物に夢中になり、大阪市で堺打刃物を専門に売る店を始めたアメリカ人もいる。

3.線香

線香は、好まれる香りを出す材料を練り合わせ細い棒状や渦巻き状に成型して乾燥させた香。線香の製造法は16世紀末に中国から日本に伝わった。堺市で製造したのが日本最古の線香とされている。各線香メーカーは独自の製造法を持っているほか、時代の変化に合わせて、新しい線香も開発している。

堺市に本社を置く、線香の製造販売企業・梅栄堂は、1657年創業の老舗。今でも、沈香や桂皮、白檀などの香料を中国やインドから取り寄せ、引き継がれてきた秘伝の調合で、線香を生産している。また、伝統を堅持すると同時に、コーヒーの香りや緑茶の香り、イチゴの香りなど、現代人の生活スタイルに合わせた線香も開発している。

4.三輪そうめん

夏になると、日本人は必ずそうめんを食べる。線のように細く、しかもコシがあるそうめんは通常、冷やして食することが多い。

西暦8世紀前後、麺類が仏教と共に中国から日本に伝えられた。当時、日本の首都だった奈良で、伝わった麺に改良が加えられ、「そうめん」が誕生した。日本農林規格(JAS規格)の「乾めん類品質表示基準」では、機械麺の場合、そうめんの麺の太さは直径1.3ミリ未満とされている。1717年に創業した「三輪そうめん山本」が製造する最高級の「白髪(しらが)」は0.3ミリしかなく、世界一細いそうめんとなっている。現在、機械を使えば3時間でそうめんを生産できるものの、同社は、伝統工芸にこだわり、36時間もかけてそうめんを生産している。

「人民網日本語版」2015年9月24

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