近頃日本で買い物をする中国人観光客が激増した。中国人が日本で買って来るのは、何も最先端のハイテク製品というわけではない。「メイド・イン・ジャパン」の多くは非常にシンプルな製品であり、技術的に重大なイノベーションがあるわけではない。中国人観光客を引きつけるのは、「メイド・イン・ジャパン」に潜んでいる匠の精神だ。
日本の「匠の精神」、それこそは日本の尊き美質であり、国を支えてゆく礎となる。
「メイド・イン・ジャパン」が消費者を引きつけるのは、メーカーが消費者の立場に立ち、堅実に市場調査を行っているからだ。生産現場を重視し、長年こつこつと技術を磨き続けているからだ。「一品入魂」の精神でもって商品の質を絶えず高め、力を尽くして良いものを作るプロセスとその結果から喜びを得ているからだ。日本の学者は、このような精神を「匠の精神」と呼び、丹精込めてものづくりをし、数十年を費やして「一芸に秀でること」を目指す中小メーカーを日本の「国宝」と呼ぶ。>>
学者・塩野米松氏は、「日本は『匠』の伝統文化を誇る国。個人業者から科学者、学者まで、より良い物を求めることに夢中になっている。建築大手『大林組』の言葉を借りるなら、これは『技術者のプライド』」と指摘している。>>