2015年のありきたりの秋の夜、中国の秀才6人がボストンで麻辣火鍋をつつきながら、授業と教授に対する不満を言い合い、その日のうちに「ハーバード茶屋」をオープンすることを決定した。人民網が伝えた。
当時、6人の多くは、ハーバード・ケネディスクール(HKS)に留学して1カ月あまりが経ったばかりだった。厳しい授業は、もともと中国で秀才として通ってきた若者達にとって、過大な負担となった。だが、授業のテーマに中国が取り上げられることがほぼ皆無であることと、クラスメートの中国に対するクラスメートの偏見ぶりによって、彼らはさらなる大ダメージを受けた。
これら中国の秀才たちによると、HKSには様々な国から来た留学生が学んでいるが、公共政策の授業では、米国人学生が約80%を占めており、英語を母国語としない学生はわずか5%しかいないという。全国大学生英語スピーチコンテストで優勝した経歴を持つ許吉如さんは、「たとえ中国に関する話題が上っても、授業の雰囲気は、『中国脅威論』に流されていく。クラスメートが、中国についての判断を下す前に、中国を理解するための時間を割き、欧米メディアが伝える真実とは程遠い中国のイメージを抱くのではなく、客観的な眼で中国を見てくれることを切望する」と強調した。
しかし、彼らのような聡明な若者は、未熟な表現方法による主張がクラスメートの誤解を逆に深めてしまうことを、誰よりも良く分かっている。そこで彼らは、コーヒーと並ぶ世界の代表的飲料である「お茶」を、彼らとクラスメートを結ぶ「懸け橋」とすることにした。七弦琴と書画を嗜む呂文恬さんは、「実のところ、『一茶一飯(1回のお茶と食事)』は、誰もが持っている基本的ニーズであり、人と人との心理的距離をぐっと縮めてくれる。一緒にお茶を飲み、お茶菓子をつまみ、それぞれが描く夢や理想について語り合えば、知らず知らずのうちに、相手の国に対する理解が深まるに違いない」と話した。
2015年10月8日、学生たちの署名集め、組織規程文書の作成、大学側への認可申請などの手続きを経て、HKSで近年初の、中国人学生が発起・登録した学生組織「ハーバード茶屋」が誕生した。
2学期が始まってすぐに、「ハーバード茶屋」は、学院挙げての厳かなオープニング・セレモニーを執り行った。獅子舞、太極拳、伝統音楽などのパフォーマンスのほか、クラスメートに味わってもらうため、中国国内で選び抜いた5種類のお茶が現場に持ち込まれた。
式典ムード満点のオープニング・セレモニーから始まり、「ハーバード茶屋」は以前から練っていた計画を実行に移した。それはつまり、政治学者・文化学者・著名芸能人・一般人などさまざまな人物を入れた、一連の「ハーバード茶話会」招待者名簿を作成することだった。だが、彼らは、あまり早くからその名簿を公開するつもりはなく、「招待者名簿に入っている人たちは全員、中国について話ができる人だ。数量的には十分となったが、当面は非公開とするつもりだ」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年2月23日