中国観光研究院が取りまとめた「2014年下半期観光業すう勢予測報告書」によると、マクロ経済の持ち直しと各国のビザ簡略化政策の影響を受け、今年の中国の海外旅行者数は、前年比18.2%増の延べ1億1600万人に達する見通し。新華網が伝えた。
一方、海外旅行に対する中国人の満足度は、4四半期連続で低下し続けている。特に、旅行のコストパフォーマンスや安全性の面での評価が、かなり落ち込んでいる。中国観光研究院が発表した「第2四半期(4-6月)海外旅行に対する中国人の満足度調査報告」によると、満足度は4四半期連続低下しており、2014年第2四半期には、「まあまあ満足(76.48)」レベルにまで落ち込んだ。特に、観光や交通など各業界のサービスや中国語情報などの公共サービスの面で、問題が際立っている。
中国観光研究院が第2四半期調査の対象とした国と地域のうち、満足度が高かった6カ国は上から順に、ニュージーランド、米国、シンガポール、スペイン、フランス、カナダだった。各国に対する満足度は、スペインがやや上昇した以外は、軒並み低下した。満足度が大幅に低下した国は、米国、イタリア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、フィリピンなど。注目すべきは、南中国海の島嶼領有権問題が浮上し、中国漁船の拿捕事件、中国人観光客に対する暴力事件などが連続して起こったフィリピンやベトナムに対する観光客の満足度が著しく低下したことだ。W杯ブラジル大会開催時に、中国人観光客を狙った強奪事件が10数件発生したことも、観光客の満足度に影響を及ぼした。