とにかく建物上部に据えられている「青銅方鼎」のスケールの大きさに度肝を抜かれる。その内部に入れるようにはできていないのがなんとも残念だが、さすが中国!と思わず納得してしまう大きさだった。ところが「瓷板画研究センター」というこの建物の中に展示されているのは、その外観とは正反対とも言えるほど緻密な「瓷板画」。「瓷板画」とは陶器の上に特殊な顔料で絵を描き、釉をかけて焼き上げた工芸品。清末民初期に写真の複製として陶器に描いたのが始まりで、人物画を中心とし、特に先祖や父母への尊敬の意を込めて、古代建築の大広間などに飾った。
写真やデジカメなどの台頭で急速に衰退した時期があったものの、現在では同センターの建設などを経て、その技術の伝承につとめている。同センターでは昔ながらの人物画から現代風にアレンジした作品まで数多く展示されている他、一般向けに体験コーナーも設けられている。数人の記者が体験コーナーで顔料を使い、描く作業を体験。ニスのような油とやや硬めの絵の具のような顔料を使い、陶器の皿に思い思いの絵を描いた。(文:玄番登史江)
「人民網日本語版」2016年11月30日
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