「宇宙船」の中で勉強し、睡眠をとり、ゴミ箱は必要な時にいつでもそばに呼び寄せることができ、ルームメイトの誰が最後に消灯し、カーテンを閉じるかをめぐり、もはや争う必要はない。最近そんな北京理工大学の「ハイテク学生寮」のGIF画像がネット上で話題になり、何度も転載されている。北京青年報が伝えた。
◆投影型キーボード、動くゴミ箱
寮で論文執筆中だった宋善台さんは、論文を午後3時30分までに提出しなければならないので、外から戻って最後の手直しに入っていた。近くで見てみると、彼はパソコンを使わず、卓上で指を動かし文字を打っていた。彼が使用していたのは「投影型キーボード」だ。起動すると、卓上にキーボードが映し出され、その鍵盤をタッチすることで文字を打ち、ブルートゥースで携帯電話の画面に入力した文字が表示される。手直しを終えた論文は、そのまま教員のメールボックスに送信できる。宋さんは取材に対し、「忙しい時はわざわざパソコンを立ち上げる必要がない。早朝に論文を提出する場合などは、キーボードをベッドテーブルに投影すれば、布団の中にいながら提出できる。机をほぼパソコン代わりに使うことができる」と話した。
よく見ると、ゴミ箱も一風変わっており、下には4つの車輪が取り付けられている。黄暁峰さんは、「これはリモコンカーのシャーシを改造したもの。私は製品デザインを専攻しているので、製品の内部構造を知り抜いている。ラジコンカーのシャーシをゴミ箱の下に取り付けることで、リモコン操作によりゴミ箱をいつでも呼びよせることができる」と説明した。
午後6時半になり、夜の帳が下りた。バスケットボールを終え、最後に戻ってきた林宇楠さんがドアを開けると、天井のLED照明が点灯し、カーテンも自動で引かれた。林さんは驚きの表情を浮かべる記者に、「これは特別な機能ではない。ドアと窓にはセンサーが取り付けられているので、日が暮れてから部屋に戻り、ドアを開くと自動的に点灯し、カーテンも引かれる。これによりスイッチを探す時間を省ける」と語った。
◆日常生活からアイデア思いつく
鄧亜東さんは、「私たちの全体設計は、宇宙船をイメージしている」と話し、27日夜に撮影した写真を見せてくれた。部屋の学生4人が自分の席に座り、天井中央の白熱灯が消されている。ベッドのそばと天井の四隅にあるLED照明が青い光を放っており、入口から見るとたしかに小型宇宙船のようだ。
これらのハイテクは、「未来のテクノロジー」をテーマに設計されており、実生活から閃きを得ている。4人はいずれも細やかな性格で、学生寮での日常生活で生じた問題をまとめ、この機会を利用しネット上でスマートデバイスを検索し、これらのテクノロジーの成果を日常生活に取り入れた。
鄧さんは、「林宇楠さんのベッドは照明のスイッチから最も近く、毎日消灯後に手探りでベッドに上がらなければならないのでとても不便。そこで私たちはネットで、スマートスイッチを検索した。こうすればベッドに上がってから消灯し、カーテンを閉じることができる。また照明の照度を調節し、睡眠にふさわしい雰囲気を整えることができる」と述べた。彼らの部屋にはさらに、暗闇の中で人の運動を自動的に感知し点灯するナイトライトがある。こうすれば夜トイレに行きたくなっても、他のルームメイトの邪魔にはならない。「火事と泥棒と寮母」に備えるとネット上で冗談を言われている警報装置について、鄧さんは、「それは違う。これは一種のセンサーで、ドアの外を誰かが通ると信号灯が鳴る。部屋の中でイヤホンをつけている人も、外に誰かが来たことが分かるだけだ」と笑いながら説明した。
宋さんは、「しかしこれらのハイテクは、学生寮に電気が通ってないと使えない。停電になりネットが断たれれば、すぐに使用不可になる」と補足した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年10月31日
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