聴覚障害者の聞き取りを補助する補聴器があるなら、視覚障害者の視力を補助する補視器を開発できるのだろう。10月15日の国際視覚障害者デーの直前に行われた第2回北京国際医学工程大会でその答えが明らかになった。新華社が伝えた。
中関村医学工程転化センターの副主任は同大会で、「新型の装着可能な補視器は視覚障害者が目の前の物体を『見る』ことに役立つ」と話し、海外から導入したこの先端技術を発表した。
補視器技術チームのメンバーによると、頭に着用するカメラと舌に載せるセンサーからなるこの補視器は、カメラから得た映像データを舌で感知できる電気パルスに変換するという。
北京朝陽医院の副院長は、「数時間立てば馴染めるようになる。視覚障害者は補視器で周囲の物体の形状や大きさ、運動軌跡などの情報を判断することが可能になる。これは視覚障害者の生活を向上させ、特に数多くの全盲者たちに利便性をもたらす」としている。
この新しい技術を五ヶ月体験した中国盲文図書館のスタッフは日頃の試用体験について、「白杖で目の前に障害物があることは分かったが、一体どのような障害物なのか全然分からなかった。この補視器のお陰で、障害物が『見える』ようになった」と話した。
北京市盲人学校の中学2年生の楊さんは、「補視器が歩行の際に大変役立った。普段あまり歩かない道を歩くとき、障害物があることを教えてくれる。最初は舌が少し馴染まなかったけど、徐々に慣れていった」と話した。
中国大連市第三人民医院眼科の先生は、「テストによると、補視技術で『大』、『小』、『人』のような簡単な漢字を識別することもできる。人工網膜の移植などを通して失明を治療する方法に比べて、補視技術はリスクが低く、操作が簡単といった特徴がある」としている。
イノベーション駆動は中国医薬産業のモデルチェンジやアップグレードの新たな動力になりつつある。中関村医学工程転化センターは医薬科学技術の起業革新サービスのプラットフォームとして、科学技術成果の転化を促す共同革新メカニズムを引き続き完備させ、障害者治療に関する先端技術成果を一層支援して導入しようとしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年10月17日
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