「旅かえる」の成功は真似できない
草津温泉や伊勢神宮、名古屋城などの日本各地の人気観光地を旅するカエルは、中国のユーザーに、旅先から時々写真を送ってくれる。ユーザーはカエルの行動をコントロールできないため、いつ帰ってくるのか、どんな土産を持って帰ってくれるのか楽しみに待つことになる。薛氏は、「日本の携帯用ゲーム開発会社は、文化にマッチしたゲームを作るのが得意。しかし、中国のゲーム開発会社にとって、『旅かえる』には参考価値がほとんどない。その成功を真似することはできない」との見方を示している。
薛氏は、「『旅かえる』が爆発的ヒットしたのはたまたまで、一人用ゲームであるため、それで大きな利益を出すのは難しい。デザインコンセプト、ゲームコンテンツ、画面のスタイルなどを総合的に見ても、中国の企業が真似をするのにあまり適さない。また、『旅かえる』の流行は現在がピークで、その勢いは長続きしないだろう。しかし、日本の携帯用ゲーム業界には多くの長所がある。例えば、『職人の精神』。中国のゲーム産業は爆発的成長段階にあり、みんな利益の取り合いをしている。そのため、日本の企業のように、じっくりと新しいゲームを開発することはなく、特に、長期的視野に立った運営ができていない」と指摘している。
譚副総裁も、「日本の携帯用ゲームは、ゲーム自体のクオリティやおもしろさを重視している。開発前にターゲットとなるグループを追跡調査し、そのグループが使用しているSNS、関心を示している話題などを調べ、そのグループと潜在的ユーザーのニーズを知るよう努める。アートグラフィックの分野を見ると、日本のほとんとの携帯用ゲームは、ほとんど外注を利用していない。そして、ゲームのバランスやソーシャル性を重視し、有料サービスを利用するよう誘導することはなく、商業化の雰囲気があまりない」と分析している。
日本市場攻略は至難の業
世界のアプリ市場データを分析する米App Annieの人気アプリランキングによると、中国の携帯用ゲームの日本におけるシェアはわずか10%程度だ。薛氏は、「中国のゲームは日本ではあまり人気がない。日本の携帯用ゲームランキングに、中国の『終結者』や『陰陽師』などが入ったことがあるが、日本のアニメを原作としており、元々日本にファンがいる。一方、『旅かえる』のような放置型ゲームは、世界的に見てもとても少ない。中国の企業が開発したゲームとなるとさらに少ない。中国のゲームが日本市場を攻略するためには、まず現地の文化に適応しなければならない。日本や韓国には、元々国際的なゲーム会社があるため『難関』。そのため、中国の巨大な市場をすでに有している中国の企業は、東南アジア市場に重点を置いており、日本や韓国にはあまり力を入れていない」としている。
本稿執筆時点で、中国のゲームプラットフォーム・TapTapにおける、「旅かえる」の評価は9.6ポイントとなっている。同プラットフォームの海外業務総監・崔■(■は火へんに韋)氏は29日の取材に対して、「中国の携帯用ゲームが日本で成功したというケースが少ない理由は、日本のゲーム市場は、遊び方の斬新さやおもしろさを非常に重視するから。中国の開発者が日本の企業から学ぶべき大切なことは、ゲームを制作する際に一番肝心なのはいつでも『遊び方』で、『おもしろさ』がゲームの良し悪しを決める基準であるという点だ。現在、ゲーム市場は不安定で、4-5年前と比べると、ゲームから得られる収益が減っている。加えてユーザーの要求も高まる一方で、ユーザーのニーズに合ったおもしろいゲームをじっくりと開発するというのが急務となっている」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年1月31日
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