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サブカル的符号からみんなの「祭り」へ 弾幕はなぜ若者に人気?

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年07月31日10:36

「名作+弾幕」。この二つの要素がミックスされたことで、この夏休みシーズン、中国の「四大名著」はその文化への扉を大勢の若者に向かって再び開くことになった。

6月12日、中国の動画共有サイト、ビリビリ(bilibili)に中国中央テレビが制作した「四大名著」(「水滸伝」、「三国志演義」、「西遊記」、「紅楼夢」)のドラマがアップされ、広く注目を集めた。評価ポイント、再生回数、弾幕(コメント)の量ともに飛びぬけており、瞬く間にビリビリの各種ランキングを独占し、関連の話題や討論のアクセス数もうなぎ登りとなった。1ヶ月以上経った7月27日になっても熱は冷めず、「四大名著」のドラマはテレビドラマランキングの上位にどっしりと座っている。

この弾幕文化はどのように形成されたのか。そして若者はなぜドラマを見るときに弾幕を書き込むのか。

弾幕:オタクの文化から「センター」を占める存在へ

「外来の文化」である弾幕は日本に起源があり、日本のニコニコ動画が真っ先に打ち出したものだ。サイトのメインユーザーはいわゆる「オタク」で、画面上にぎっしりと表示される文字はオタクコミュニティの中で存在感を示す方法だった。どこかにこもって、パソコンの画面にだけ向き合う彼らだが、画面上にアップされた文字を通じて意気投合し、結びつくことができた。

弾幕は通常は画面の中で繰り広げられるシーンに対するリアルタイムのコメントであり、表現スタイルは短く簡潔で、一言か二言のコメントが多く、1語だけのものもある。弾幕は新しい流れの相互連動スタイルで、動画視聴者を「傍観者」から「参加者」に変え、さらには動画作品の重要な構成要素にさえなった。

目下の弾幕の相互連動モデルはアニメ、バラエティ、ドラマ・映画などの動画サイトに多く集中しているだけでなく、各種の動画配信プラットフォームもこのモデルを利用してネットユーザーと配信パーソナリティーとの間のコミュニケーションを実現している。ネットユーザーが自分で動画を作成する割合が高くなるにつれて、「弾幕の大軍」が徐々にユーザーが自発的に制作する「Vlog」(ビデオブログ)や音MADなどに流れていった。弾幕の登場で、受け手の伝統的な意味での動画やライブ配信の視聴行為がより豊富になったといえる。

弾幕の特徴:断片化する理解、リアルタイムでフィードバック

「弾幕」という言葉からは、断片化した状態がイメージされる。電光石火、片言隻句、率直、ウィット、風刺など、ほんの一言二言で奇抜な発想を表現するものもたまにはあるが、そのシーンに対する態度を表明するようなものがほとんどだ。

弾幕は「コメント」の範疇に入れられてはいるが、弾幕文化と伝統的な文芸評論との間には非常に大きな開きがある。相対的に言って、弾幕の一番目の特徴は「リアルタイム」だ。弾幕の評論の対象は作品の中のごく短い断片であることが多く、たとえばあるキャラクターの外見、登場した時の歩き方、服装、表情、話し方、一言の台詞、1つのシーン、小道具が本物らしいか、などだ。弾幕のコメントには当意即妙さが目立ち、注目されているのはその場、その時に視聴者どうしが相互に連動する中でお祭りムードが盛り上がることであり、真剣な思考や真の知識や鋭い見解を示すというものではない。弾幕はネット時代の産物だ。「深さ」が「速度」に置き換わると同時に、個性化、断片化、平面化、コメディ精神と、風刺、アンチエリートの傾向などはいずれも「ポストモダン」時代を別の側面から体現しているといえる。

リアルタイム性、相互連動性、視覚的経験が弾幕文化の巨大な魅力を形作る。多くの人が、伝統的な文芸評論はこうした魅力をもつことができないと感じ、ひいては「深さ」はあっても活気あふれる賑やかさの中で生まれる魅力にはかなわないとさえ感じている。

多くのユーザーは黙って動画を楽しむだけではなく、心の内に自分を表現したいという強い欲望をもっている。大衆には自分の考えを表現する権利があり、自分が楽しいと思うこと、いやだと思うことを率直に述べる権利がある。それが本当のことでありさえすればよい。

若者はなぜ弾幕の熱狂を楽しむのか?

弾幕を通じて、受け手はオリジナル動画コンテンツを「二次加工」できるようになる。弾幕で相互に連動することで、動画制作者と受け手の間の境界が曖昧になる。人々はもはや受動的に「流されてくるコンテンツを見るだけ」という従来のモデルを受け入れるだけではなくなり、動画コンテンツをリアルタイムで分析・批判し、さらにはパロディまで作り出す。

弾幕は知らない人同士のバーチャルな相互連動を促進する。これまでのように動画の下のほうにあるコメント欄に書き込むのでは時間のずれが生じたが、弾幕はユーザー達に「世界のあちらとこちらで同じ時を共有する」相互連動のシーンを提供し、お互いに知らないユーザー同士が動画のプログレスバーを見て、同じタイミングで自分たちのリアルタイムの感想や気持ちを表出できるようになった。

また、弾幕を通じてバーチャルな観客になることもできる。湖南衛視の今年の春節(旧正月、今年は1月25日)特別番組の中で、安全な収録を行うため、会場に初めて「弾幕式観客席」を設置した。当日夜、設置されたスクリーンを通じて、全国の億単位の視聴者が「リアルタイム弾幕」の双方向方式で参加し、新型コロナウイルス感染症の中で温もりと力を届けた。

弾幕という創造性に富んだ相互連動スタイルが、遠く離れた場所にいる人々をバーチャルネットワークの中に集結させた。このことは私たちにロシアの思想家ミハイル・バフチンの「カーニバル性をもった広場における生活」を連想させる。それは階層、富、職業、年齢、身分などの違いを打ち破り、誰もがその中で平等に交流し、対話し、遊ぶことのできる空間だ。

もちろん、こうした一時的なバーチャルのカーニバルが実体ある空間の日常生活に代わるわけではない。なぜならそこには現実の暮らしにおける重要な要素の「現場感覚」がないからだ。動画サイトでオンライン初発信の映画を見て弾幕を打ち込んで評論するより、映画ファン達は一日も早く映画館に行って映画鑑賞の楽しみに浸りたいと考えている。クラウドで歌手のライブを見るより、音楽ファン達はライブ会場で自分たちのスターと一緒に歌いたいと願っている。だから私たちは、感染症が完全に終息した後には、現場での体験がもたらす感動を再び味わいたいと願っているのだ。(編集KS)

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「人民網日本語版」2020年7月31日

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