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【中国キーワード】ネット大手が続々参入するコミュニティの共同購入はなぜ人気?

人民網日本語版 2020年12月14日14:37

2020年には、インターネットの注目点はいくつもなかったが、コミュニティの共同購入がその中の1つであることは間違いない。

下半期以降、一部のネット大手がコミュニティの共同購入に次々と参入し、7月には美団が「優選事業部」を立ち上げ、8月には拼多多傘下のコミュニティ共同購入プロジェクト「多多買菜」がリリースされ、10月には蘇寧菜場コミュニティ共同購入プラットフォームが北京でリリースされた……

一度は下火になったコミュニティの共同購入がなぜ再び市場で人気を集めるようになったのか。発展の現状はどのようなものか。

コミュニティの共同購入のメリットはどこに?

朝7時に起床した広西壮(チワン)族自治区南寧市に住む李麗さんは、子どもに朝ご飯を食べさせると、団地の中にある自分の店に行き、顧客が前日に注文した商品をドライバーが運んでくるのを待つのが日課だ。「商品が店に届くと、客は好きなときに引き取りに来る」のだという。仕分けが終わった李さんは、微信(WeChat)のグループで本日最初のお知らせを発信した。

李さんによると、「友人の紹介で、(団地ECプラットフォームの)橙心優選に加入しグループの代表になった。団地の隣近所の知り合いにグループに入ってもらい、毎日プラットフォームにある新鮮でお得な商品をシェアリングしてもらっている。毎日午前中、店で客が引き取りに来るのを待ちながら、微信のグループでその日のお得な情報を更新する」という。李さんのようなママたちはコミュニティの共同購入の中心で、仕事をしながらグループの代表になる人も少なくない。安さと便利さがコミュニティの共同購入の大きな特徴だ。

コミュニティの共同購入はコミュニティに暮らす人々の暮らしを便利にするだけでなく、多くの人に働き口と安定した収入を提供する。陳峰さん(26)は実家を出て成都で仕事を探し、武侯区に部屋も借りた。「団地には3千ほどの世帯があるが、周囲2キロメートル以内では食品も他のものも買い物が大変だということに気づいた。そこでコミュニティの共同購入というアイディアを思いついた」と話す陳さんは、橙心優選のトップクラスのグループ代表になり、1ヶ月に約2万元(31万8千円)を稼ぐ。

盛り上がるコミュニティの共同購入

コミュニティの共同購入は目新しいことではなく、2016年にやや発展し、京東や永輝などが発展を模索していた。18年には、最初の投資ブームが起こり、新しいプレイヤーが続々市場に参入した。しかし急速過ぎた拡張ペースと無秩序な競争により、ほとんどの企業は資金チェーンが断裂し、業界は低迷期に入った。

今年になると、新型コロナウイルス感染症が消費者の消費習慣や情報取得の習慣を変え、コミュニティの共同購入が爆発的な成長を遂げた。滴滴、蘇寧、拼多多、阿里巴巴(アリババ)などはこれを相次いで重点開拓業務としてきた。

今年6月、滴滴傘下のコミュニティ共同購入ブランドの「橙心優選」がリリースされた。滴滴の広報部の責任者は、「当社はコミュニティの共同購入に長らく注目してきた、今年になって感染症の期間中に配置が加速した。感染症期間中には、住民の非接触方式でのコミュニティの共同購入ニーズとりわけ生鮮食品へのニーズが大幅に増加し、ユーザーへの浸透率が極めて高いビジネスの切り口になり、業務を提供する範囲が省(自治区・直轄市)単位から小都市単位へと広がり、市場のポテンシャルは非常に高い」と述べた。

中南財経政法大学デジタル経済研究院の盤和林執行院長は、「コミュニティの共同購入が再び盛んになり、多くのネット大手が次々に参加する主な原因は、やはり極めて大きな市場のポテンシャルにある。現在、コミュニティの共同購入は基本的に食料品購入などの日常生活に欠かせないニーズ、高い頻度で行われる消費シーンが中心だ。ユーザーの習慣と消費のロイヤリティが生まれれば、ユーザーのアクティブ度を極めて大きく引き上げ、プラットフォームの他の商品やサービスの消費を促すことが可能で、ネット企業が新たなフローを獲得するための重要なチャンネルになる」との見方を示した。

運営がやさしく、コピーが簡単とういのも、ネット企業がコミュニティの共同購入に乗り出した重要な原因の1つだ。コミュニティの共同購入は微信のグループを通じて顧客を獲得するのでコストが低い上、細分化された市場に深く入り込め、転換率が高い。また農産物市場やスーパーと違い、専従の販売員を雇う必要がなく、理論的には運営コストがより低くなる。

小売プラットフォームの多点(Dmall)のコミュニティ共同購入業務部の責任者の栄健さんは、「コミュニティの共同購入は消費を喚起することができる。オフラインのスーパーや農産物市場では、ユーザーは商品を必要とする時しか主体的に買い物をすることができないが、コミュニティの共同購入なら微信のグループの強力なマーケティングを通じて商品を売り出し、ユーザーは見たり、感じたりして、消費意欲や購入意欲を刺激される。こうしてニーズを生み出している」と述べた。

従来の生鮮小売に代わるか?

プラットフォーム大手の多額の補助金を受けるコミュニティの共同購入が、従来の生鮮食料品店に一定の影響を与えることは避けられないが、両者は全く相容れないわけではない。コミュニティの共同購入分野に早く参入した滴滴傘下の橙心優選の関係責任者が述べたところによると、グループ代表がコミュニティの共同購入チェーンのコアの1つで、その大部分が店舗を拠点にした小規模店のオーナーやコンビニエンスストアの経営者だ。ネットの新興業態がオフラインの店舗に与える打撃は大きく、多くの店舗オーナーはネットプラットフォームのフローと資源を利用しようという意識や、店舗の経営効率を高めようという意識をもつという。

実際、ネット経済が誕生し発展する時代の中で、コミュニティの生鮮食料品店とオフラインのスーパーもデジタル化の変革を積極的につかんでいる。たとえばここ数年の間にコミュニティの生鮮食料品店の多くが相次いで大手ECプラットフォームのオンライン業態に参加し、物美やカルフールのような大手スーパーがデジタル化されたオンラインショッピングシーンでの配置をそろって進めている。

同時に、コミュニティの共同購入という消費業態の急速な発展は、生鮮食品のサプライチェーンシステムの整備を促進することにもなると同時に、大量の雇用やチャンスも生み出すことになる。全体としていえるのは、今後、ネット大手が勢力を拡大したコミュニティの共同購入が、従来の生鮮食料品の小売業態に代わるものにはならないということだ。

将来の発展の見通しは明るい

「人間関係+信頼」によって市場の可能性を切り開くモデルは、優位性を定着させるには時間がかかる。現在、ユーザーのロイヤリティは低く、補助金が多いところへどんどん移っていく。グループの代表も同じ事で、報酬が多いところを選んで仕事をする。

専門家は、「市場の構造が固まるまでは、『補助金大戦争』がしばらく続くかもしれない」と予想した。

滴滴の広報部の責任者は、「全体としていえるのは、コミュニティの共同購入は今はまだ模索の時期で、理想的な商業モデルはまだ見つかっておらず、インフラをさらに整備する必要があり、企業も物流、マーケティングサービス、プラットフォーム管理、自身のバージョンアップなどの能力を絶えず高める必要がある」と述べた。

業界関係者は、「今年初めに新型コロナウイルス感染症が爆発的に流行してから、現在の常態化した感染症の予防・抑制の段階に至るまで、コミュニティの共同購入は人々の日常の暮らしや消費のニーズに応えるという点で大きな優位性を示してきた。ネットの浸透率がますます上昇するのにともない、コミュニティの共同購入やネットの共同購入を利用する層がますます大きくなった。コミュニティの共同購入はこれから非常に重要な消費シーンになるだろう」との見方を示した。(人民網日本語版論説員)

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「人民網日本語版」2020年12月14日

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