5年の歳月を経て、中国はBRICS議長国を務め、BRICS協力という時計の針が再び「中国の時」を指し示そうとしている。(人民日報・「国紀平」掲載)
中国は2022年のBRICS議長国として、第14回BRICS首脳会議を主催する。「質の高いパートナーシップを構築し、グローバル発展の新時代を共に創造」をテーマに、中国はBRICSのパートナーと手を携えて質の高い発展の新たなビジョンを描き、団結と協力のさらに強いメッセージを発する。
研究レポート内の投資概念から、初の非西側諸国を主体とし、国際社会の軽視できない重要な勢力へと発展したBRICSの16年間の非凡な歩みは、人類の歴史の大河においては短い一瞬に過ぎないが、発展と協力の全く新たな章を記してきた。
21世紀に入り、新興国と発展途上国は全体としてより強靭な台頭の勢いと発展の可能性を示し、世界の政治・経済構造において一段と重みを増しており、国際的なパワーバランスは近代以降「最も革命的な変化」をみせている。統計によると、2000年から2019年にかけて、新興国と発展途上国は年平均経済成長率で先進国を約3.65ポイント上回り、世界経済に占める割合は40%以上に高まった。その「リーダー」であるBRICSは経済規模で世界の25%、貿易総額で世界の18%を占め、近年の世界経済の成長への寄与率は50%に達する。
BRICSの団結と協力は、人類社会の発展と国際構造の変化の趨勢に沿ったものであり、偶然のように見えるが、実際には歴史的必然である。
世界の発展と国際構造の変化という観点から見ると、BRICSは発展段階が近く、歴史的使命が似ており、発展目標を同じくしている。BRICS協力体制の構築と発展は、歴史の進歩の潮流と人類の発展の方向性を体現している。南アフリカ・ダーバン工科大学の教授は「BRICS体制は、対話と協力という全く新たな選択肢を世界にもたらした」と指摘する。
5ヶ国のそれぞれの発展と共同発展の過程を見ると、BRICSは首脳会議がリードする形で、「経済・貿易・財政・金融」「政治・安全保障」「人的・文化的交流」の「三輪駆動」の包括的・重層的な協力構造を構築して歩み続け、同盟ではなくパートナーシップという新たな関係の構築を積極的に模索し、相互尊重と共同進歩という新たな道を歩み出し、 互恵・相互利益、協力・ウィンウィンという新たな理念を実践して、新しいタイプの国際関係構築を鮮やかに示したのである。
「BRICS」という概念の提唱者であるジム・オニール氏は、中国の経済発展の持つ重要な牽引的役割によって、BRICSの発展は当時の予想をはるかに上回るものとなったと指摘する。習近平国家主席は2013年以降、BRICS首脳会議などで一連の重要演説を行い、BRICSがどこへ向かうべきかについて中国の知恵で貢献し、中国の案を提供し、実務的措置を発表して、BRICS協力と世界の発展の促進に大きな自信を与えてきた。BRICSは国連、G20、世界銀行、国際通貨基金(IMF)などの多国間枠組みにおける地位を高め、役割を強化し続け、新興国と発展途上国の国際的発言力を力強く高めてきた。
「BRICSは、国際社会における積極的、向上的、建設的な勢力として、信念を揺るぎないものにし、波風に正面から立ち向かい、実際の行動によって平和的発展を促進し、公平と正義を守り、民主と自由を提唱して、激動と変革の時代にある国際関係に安定性とプラスのエネルギーを与えるべきだ」。先般のBRICS外相会議開幕式での習主席のスピーチによって、世界は改めて大国の深い揺るぎなさと責任感を感じ、BRICS協力の時代的価値と大きな将来性を知ることとなった。
歴史の前進の論理の中で前進し、時代の発展の潮流の中で発展する。様々なリスクや試練を前に、そして世界の多極化と国際関係の民主化という歴史の潮流を前にして、新興国と発展途上国の団結と協力の強化が、過去のどの時期にも増して重要となっている。開放・包摂、協力・ウィンウィンというBRICS精神に導かれ、BRICS協力は共同発展の同心円を描き、より多くの国々を団結と進歩の事業に参加させ、協力のパイを一層大きくし、進歩する力をますます強くし、人類運命共同体の構築という素晴らしいビジョンの実現に一層貢献すべく尽力していく。
(「国紀平」は人民日報の著名な論評欄。重大な国際問題について中国の立場と観点を詳説している) (編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月20日