中国国際問題研究院発展途上国研究所所長で、清華大学経済管理学院中国・世界経済研究センター「BRICS経済シンクタンク」上級研究員である王友明氏は、このほど新華社の単独取材に応じ、「新興国と発展途上国の代表として、BRICSが発展を実現することは、目覚ましいデモンストレーション効果を挙げることになる」と指摘した。新華社が伝えた。
王氏は「貧困削減、食糧安全保障、新型コロナとの闘いやワクチン、開発資金調達、気候変動、グリーン開発、工業化、デジタル経済、相互接続などの分野におけるBRICSの協力は、まさに数多くの発展途上国の発展上の要求と一致し、発展途上国の考える事を考え、発展途上国の差し迫った課題を急務とするものだ」と指摘。
「中国の打ち出した『BRICSプラス』のコンセプトは、BRICSが発展途上国の要求と利益を常に忘れずにいることを示すものだ。『BRICSプラス』の重要な理念は、BRICS構成国は他の新興国や発展途上国との協力を拡大する必要があるということだ。BRICS新開発銀行は、すでにアラブ首長国連邦、ウルグアイ、バングラデシュ、エジプトの参加を承認して拡大を実現しており、他にも多くの国々が参加を希望している」と説明した。
王氏は「BRICS協力は、環境・衛生・グリーンエネルギーなどの分野で多くの成果を挙げている。BRICS新開発銀行の融資は、清潔な飲料水や環境衛生、グリーンエネルギーなどの分野に多く用いられており、融資プロジェクトの圧倒的多数が構成国の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援するものだ。また、『BRICSクリーンリバーズ・プログラム』を打ち出すとともに、環境にやさしい技術プラットフォームの構築に尽力している」と指摘。
さらに、「新型コロナとの闘いにおけるBRICS協力は特筆に値する。BRICSは、BRICSワクチン研究開発センターの設立を推進。BRICS新開発銀行は、BRICSの新型コロナ対策専用の100億ドル(1ドルは約135.1円)の融資を発表し、短期間で全てを実行に移した」と説明した。
王氏は最後に「BRICSの協力体制は多国間主義実践の模範になった。今、世界は新たな激動と変革の時期に入り、紛争や困難、問題が絶えない。こうした中、中国が2022年のBRICS議長国を務めることには重大な意義がある」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月15日