1972年9月29日、中日両国は歴史的意義を持つ「中日共同声明」に署名して、国交正常化を実現し、平和と友好という新たな章を開いた。中日関係は半世紀の間、何度も困難を経験しながら、目覚ましい発展を遂げ、両国及び両国民に確かな幸福をもたらして、イデオロギーや社会制度の違いは決して乗り越えられない溝ではなく、長期にわたる平和・友好・協力が双方にとって唯一の正しい選択であることを証明した。中日両国は引き続き、歴史を鑑として未来に向かう精神に基づき、平和的発展と互恵協力を共に促進し、世々代々の友好を受け継いでいくべきである。(文:孔鉉佑駐日大使。人民日報掲載)
歴史と未来の合流点に立ち、中日関係は新たな発展のチャンスを秘めると同時に、錯綜する複雑な試練にも直面している。両国首脳は、中日国交正常化50周年を契機に、新しい時代の要請にふさわしい中日関係の構築を推進することで一致した。この目標を達成するには、中日両国の各界が初心に立ち返り、共に未来を創造することが必要だ。
第1に、政治的揺るぎなさを保つ。中日関係の初心と原点は、両国関係の政治的基礎を成す4つの基本文書にある。4つの基本文書の確立した諸原則を厳守し、「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という政治的共通認識を実行に移し、妨害を排除し、意見の相違に適切に対処し、両国関係が常に正しい軌道に沿って前向きに発展するようにしなければならない。
第2に、協力の潜在力を発揮する。経済・貿易協力は中日関係を安定させるバラストであり、推進するスクリューでもある。双方は新たな成長分野の育成に努め、協力の質と水準を高め、共通利益のパイを大きくする必要がある。経済政策面の協調を強化し、公正で開かれた貿易・投資環境を共同で維持し、双方の経済の相互補完、産業チェーン及びサプライチェーンの高度の融合によるメリットが絶えず生じるようにする必要がある。
第3に、交流の活力を引き出す。中日は引っ越すことのできない隣人であり、長い民間友好の歴史を持つ。双方は国交正常化50周年を契機に、人的・文化的交流と民間・地方交流を幅広く繰り広げ、特に「Z世代」の若年層の相互交流を強化し、理解と信頼、友情を深め、人々が互いに心を知り合い、通い合わせる後押しをし、中日間の善隣友好を支える民意の基礎を固め続けるべきだ。
第4に、アジアの力を共に結集する。中日双方は、肩を並べて共に歩み、各々の根本的利益と地域の共通利益に立脚し、真の多国間主義を実践し、地域協力を積極的に促進し、外部の妨害を排除し、足並みをそろえてグローバルな課題に対処すべきである。両国は、相手国の平和的発展を互いに支持し合い、地域の安定維持に建設的役割を果たす必要がある。
百年間なかった変動の進行が加速する中、中日関係は先人の事業を受け継ぎ、未来を切り開く重要な段階にある。双方が初心を揺るぎないものにし、向き合って進みさえすれば、必ずや困難を克服し、障害を乗り越え、中日の善隣友好協力関係のたゆまぬ前向きな発展を推進できるものと信じる。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年9月30日