衛星のために仕立てるオーダーメイドの「服」

人民網日本語版 2024年04月09日14:47

ハサミを持ち、ミシンを踏み、作業台の傍らには「布」ローラーとボビンが置かれている……。吉林省長春市に位置する長光衛星技術股份有限公司宇宙環境研究室熱制御実施工程センターに入ると、この仕立て屋のようなシーンに戸惑ってしまうだろう。科技日報が伝えた。

衛星多層断熱モジュールを作る科学研究者(4月2日撮影)。撮影・高巍

衛星多層断熱モジュールを作る科学研究者(4月2日撮影)。撮影・高巍

同公司は中国初の商業リモートセンシング衛星企業だ。同公司が開発を担当し打ち上げた「吉林1号」衛星は、軌道上の数がすでに108基に達し、世界最大の準メートル級商業リモートセンシング衛星網となっており、徐々に世界の重要な宇宙リモートセンシング情報源になっている。

同センターの責任者である呉清爽氏は、「衛星断熱・保温の多層断熱モジュールを作っている。衛星表面の『金色のコート』は当センターが作ったものだ」と説明した。

製造を終えた多層断熱モジュールで衛星の外殻を覆う呉清爽氏(左から2人目)とチームのメンバー(4月2日撮影)。撮影・許暢

製造を終えた多層断熱モジュールで衛星の外殻を覆う呉清爽氏(左から2人目)とチームのメンバー(4月2日撮影)。撮影・許暢

熱制御実施作業は衛星開発のすべての部分を貫いており、すべての衛星の構造上の特徴と熱制御措置に基づき設計と配置を調整する必要があり、すべての細部において少しでも気を抜くと衛星の性能・指標に影響が生じる恐れがある。熱制御チームには「衛星高度カスタマイズ衣装デザイナー」という呼称もある。呉氏は、「当センターの作業もカスタマイズする必要がある。このような『服』を着ると熱さにも寒さにも耐えられる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年4月9日

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