米「サイエンス」誌、今年の10大科学業績を発表
米科学誌「サイエンス」は12日、2024年の10大科学業績「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」を発表した。抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)注射薬が「優れた感染予防能力」によりそのトップにに選ばれた。そして、中国の科学者が発見した最古の多細胞真核生物の化石が入選した。新華社が伝えた。
「サイエンス」によると、この抗HIV新薬の名称は「レナカパビル」で、米ギリアド・サイエンシズ社が研究開発したカプシド阻害薬で、1回の注射で人体を6ヶ月保護することができる。この薬はHIVウイルスのカプシドタンパク質を標的とすることで効果を発揮し、HIVウイルスのカプシドタンパク質の細胞核への侵入を干渉し、ウイルスの複製を阻止できる上、ウイルスの組み立て及び成熟プロセスを干渉することもできる。今年6月にアフリカの青春期の女性及び若い女性を対象に行われた大型薬品有効性試験の結果によると、この薬のHIVウイルス感染予防の有効率は100%に達した。早くても2025年半ばに監督管理当局より市販が承認される見通しだ。
10大科学業績では、中国の科学研究者による古代生物の化石の研究も紹介された。この種の化石は、多細胞真核生物がこれまで考えられていたよりもはるかに早く出現したことを物語っている。また中国科学院の説明によると、今年1月、中国科学院南京地質古生物研究所の研究者は燕山地区で、今から約16億4000万年前の地層から最古の多細胞真核生物である「Qingshania magnifica(壮麗青山藻)」の化石を発見した。化石は鮮明な細胞構造を留めているだけでなく、一部の化石にはさらに胞子に似た構造が含まれている。この発見により多細胞真核生物の出現時期がさらに約7000万年早くなった。
上述した業績のほかには、自己免疫疾患と戦うための新型免疫療法CAR-T、宇宙の夜明けを探るジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、RNA干渉技術に基づく遺伝子を標的とする殺虫剤の発売、第3の永久磁石材料の発見、米次世代大型キャリアロケット「スターシップ」の「箸でキャッチ」する回収などが入選した。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年12月16日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn