海南省の「南繁硅谷」の成長が加速

人民網日本語版 2025年01月13日10:15

第4回三亜国際種業科学者大会に出席中の三亜智数バイオテクノロジー有限公司のマーケットマネージャーの蒋思氏は9日、「当社は2023年末に設立し、南繁種業合同研究組織(CRO)及び総合健康を主要事業とする。1年目の売上高は3000万元(1元は約21.5円)以上だった。海南の『南繁硅谷』(硅谷とは、シリコンバレーの意味で、科学技術イノベーションが進んだ地域を表す)には多くの種業企業及び科学研究プラットフォームが集まっており、発展の大きなポテンシャルを秘めている」と述べた。中国新聞網が伝えた。

南繁とは中国の南方地域、特に海南島南部地域の冬・春の温暖な気候という有利な条件を利用し、夏に北方地域で栽培した農作物育種材料を冬・春に南方地域でさらに一期もしくは二期栽培する農作物育種方法だ。24年に発表された「国家南繁硅谷建設計画(2023−30年)」は、30年までに科学研究、生産、販売、科学技術交流、成果実用化を一体化した、中国全土に寄与する南繁硅谷を全面的に完成させると打ち出した。

南繁硅谷は三亜市崖州区を中核に、南繁科技城や世界動植物遺伝資源導入中継拠点をここに集中的に展開する。三亜、陵水、楽東の3市・県を軸に、国家南繁科学研究育種保護区を建設する。海南全島に複数の良種繁殖拠点及び現代種業産業パークを設置する。このほど報道されたデータによると、三亜崖州湾科技城には現在、3100社以上の種業イノベーション企業が集まっている。

海南省党委員会常務委員で、三亜市党委員会書記の王祺揚氏は、「国際的な影響力を持つ南繁硅谷の成長が加速している。三亜は全市の力を挙げて、中国の農業分野唯一の国家実験室の設立と運営を推進している。海南省最大の国家野生稲遺伝資源田が完成し、使用開始された。種業のイノベーションの成果が続出している。三亜は従来の単純な育種の拠点から全産業チェーン最適化・高度化の種業先進地への大きな変貌を遂げている」と述べた。

三亜智数バイオテクノロジー有限公司バイオ情報エンジニアの隋耀氏は、「5年前に初めて三亜南繁科技城を訪れた際に目にしたのは、広大な建設現場だった。今や各科学研究機関の実験ビルが林立し、多くの大学がパークに入居し、種業に従事する多くの若者はここでの発展を求めている。学問を続け、科学研究に身を捧げる人にも、企業に入り、成果の実用化を推進する人にも、南繁科技城はそのすべてに理想的な道を提供できる」と述べた。

中国工程院外国籍院士で、元アフリカ科学アカデミー会長のフェリックス・ダパレ・ダコラ氏は、三亜南繁の種業発展に期待し24年より南繁科技城に常駐している。中国とアフリカの農業・種業の交流と協力を推進しようとしている。「南繁硅谷には世界の種業科学者が集まっており、相互交流は種業の研究活動に大きなプラスの影響を与えている」とした。

中国科学院の銭前院士は南繁硅谷の建設に大きな自信を持っている。「世界の動植物遺伝資源導入中継拠点の建設が近年、持続的に推進されている。農業農村部(省)ゲノム編集イノベーション利用重点実験室(海南)や三亜加速器変異誘発育種実験室などが続々と使用開始され、南繁硅谷の科学技術力がさらに向上している。南繁硅谷の全面的な完成においては必ず困難にぶつかるだろうが、方法は常に困難より多い」と述べた。

三亜の陳希市長は8日、三亜両会で「政府活動報告」を行った際に、「三亜は南繁種業の発展に注力し、種業のマーケットエンティティを持続的に育成し、優良外資系種業リーディングカンパニーを精力的に誘致する。先端技術の種業CRO分野におけるサービス応用を支援し、育種技術サービスブランドを構築する」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月13日

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