中国のAI清掃ロボット、欧州市場に進出

人民網日本語版 2025年05月09日14:27

英国・マンチェスターの大型物流センターのスタッフが「小蘭鯨」の使い方を学ぶ様子。

英国・マンチェスターの大型物流センターのスタッフが「小蘭鯨」の使い方を学ぶ様子。

現在、技術革新が加速し産業変革を促進する波の中で、中国の人工知能(AI)技術は急速に発展し、応用シーンも絶えず拡大している。ドイツの工場、イギリスの物流センターからチリの農地に至るまで、中国企業は多様な場面に対してAIの革新的なソリューションを提供している。人民日報が伝えた。

英国・マンチェスターにある有名スポーツ用品を扱う大型物流センターでは、室内清掃ロボット「小蘭鯨」(シャオランジン)が自ら設定したルートに沿って床を掃除していた。自動的かつ正確に微粉を認識することができ、粒子径0.1ミリメートル以上のゴミを残さずきれいに掃除する。障害物に遭遇するとリアルタイムで調整・回避し、最適なルートを算出しエネルギー消費を最小限にすることができる。

同センターの運営ディレクターのエイミー・カーターさんは、「この掃除ロボット『小蘭鲸』は人工知能(AI)技術を利用して正確で高効率の清掃作業を実現した。日常のデータの分析を通じて、清掃作業のアドバイスをすることもできる。センターの半年分近くのデータを分析した後、エネルギー消費の多いエリアの作業効率を30%向上させるアドバイスを行ってくれた。これによって予防的なメンテナンスが可能になり、効率が向上したと同時にコストが低下した」と述べた。

「小蘭鯨」は深蘭人工知能科技(上海)股份有限公司(深蘭科技)が開発した清掃ロボットで、本体に独自開発のAIコア制御システムを搭載し、コンピューターの視覚識別技術とマルチモーダルセンシング技術を統合し、さまざまなタイプの面積が大きく硬質な床面の清掃とメンテナンスに適している。1時間に2400平方メートルの面積を清掃することができる。高精度なダイナミックマップを作成するだけでなく、自律学習機能を通じて清掃ルートを最適化し、ガラスなどあらゆる材質の静的・動的な障害物の識別と回避を実現した。またマシンラーニング技術とAI視覚システムを通じて床面の材質を分析したり、汚れのタイプを識別したりして、清掃モデルを自動的に切り替えることもでき、清掃効果をより高めると同時に清掃する床面の使用寿命を伸ばすこともできる。

イタリアの清掃サービス業者のマルコ・ラバッチさんは、「多くの欧州の国で清掃産業は転換期を迎えており、求人難や人件費の高騰などの問題に直面している。『小蘭鯨』は広い面積を昼夜を問わず掃除することができるので、この産業が目下抱える問題の解決に役立つ。欧州諸国はビジネス建築物が多く、さまざまなシーンで清掃に大きなニーズがあり、作業効率がより高くコストがより低い『小蘭鯨』は非常に人気がある。英国の大型物流センター以外にも、スペインの工場、ベルギーのスーパーマーケット、ノルウェーの体育館、その他の欧州の国々の大型ビジネス建築物でも『小蘭鯨』を目にすることができる」と話した。

深蘭科技国際事業部の責任者のリサさんは、「国によって顧客のスマート清掃ロボットに対するニーズは千差万別で、ロボットのソフトウェアのアルゴリズムとハードウェアの構造を絶えず最適化・調整し、さまざまなシーンにできるだけ自律的に対応できるようにする必要がある。2年足らずの間に、『小蘭鯨』は100回以上のアップデートを繰り返し、その半数以上は顧客のニーズに基づいて行われた最適化・改良だ。当社の自動運転屋外清掃ロボットもまもなく商用化がスタートする見込みで、産業パーク、公園、キャンパス、観光地などの公共空間や、複雑な道路で自律的かつ安全な清掃サービスを提供するようになるだろう」と説明した。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年5月9日

注目フォトニュース

関連記事