イネの種子を「3Dプリント」? 画期的な「印刷式播種育苗技術」
江西省宜春市万載県の工場化育苗センターのビニールハウスでは、現在「印刷式播種育苗技術」の導入が進んでいる。印刷播種機が稼働する中、作業員が機械を操作すると、幅90センチの育苗シートがローラーで送られ、その上にイネの種子が整然と並べられていく。その様子は、まるで新聞を印刷しているかのようだ。中央テレビ網が伝えた。
この技術では、精密な位置決めが可能な印刷播種機にイネの種子を投入し、特別な竹炭繊維の育苗シートを敷いた上で、ローラー固定穴に食用糊を塗布し、さらにローラーで種子をシートに固定する。最終的にはシートを巻き取って筒状にし、種の「印刷」工程が完了する。種子を「印刷」された育苗シートは巻いた状態で保存可能で、長期間保存して必要な時に取り出して育苗できるため、種まきの時期が調整できるようになり、作業時期の分散を実現している。
万載県のある農業工場化育苗センターの技術者・厳鵾氏は、「このあたりでは、遅い時期に実る『晩稲』の育苗を比較的早くから始める。このまるで3Dプリントのような技術を活用することで、より早期に種を『印刷』して保存し、作業時間を合理的に配分できる。『印刷』された種子は1〜2週間保存でき、田んぼやハウスに持ち込んでそのまま広げればよいので、大幅な時間の節約になる」と話す。
すぐそばの育苗用のビニールハウスでは、イネの種子がびっしりと「印刷」された育苗シートが順序よく広げられ、養分を含む土の上に敷かれていた。その後、育苗シートの上に培養土をかぶせ、適度に水をまくことで、種が十分に養分を吸収し、順調に発芽するようにする。種まきから田植えまでの所要時間はわずか十数日だ。
万載県のある農業工場化育苗センターの技術者・朱仕生氏は、「これがうちの『3Dプリント』した種で、非常に均一に分布している。あと13〜14日もすれば田植えができる」と語る。
この新たに導入された「印刷式播種育苗技術」は、播種量をデジタル制御することで、1台の印刷播種機で、400ムー(約26.7ヘクタール)の水田の育苗作業を8時間で完了させることができる。この技術は、従来の播種における種子分布の不均一、種子使用量の多さ、苗の品質のばらつきといった問題を解決し、晩稲の育苗において効果的に時間と人件費を節約し、農業生産のコスト削減と効率向上を実現している。(編集ES)
「人民網日本語版」2025年6月17日
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