夏休みに中国国産アニメーション映画3作品が公開へ
近年、中国国産アニメーション映画の人気が高まり続け、注目度も日に日に高まっている。例えば、「哪吒之魔童閙海(ナーザの魔童大暴れ)」の世界における興行収入は159億元(1元は約20.6円)に達して、アニメーション映画世界興収歴代1位となり、中国国産アニメーション映画の巨大なポテンシャルを世界に示した。今年の夏休みに合わせて公開される映画を見ると、中国国産アニメーション映画「浪浪山小妖怪(Nobody)」や「聊斎:蘭若寺(Curious Tales of a Temple)」、「羅小黒戦記2(The Legend of Hei Ⅱ)」などが特に注目を集めている。中央テレビニュースが伝えた。
「浪浪山小妖怪」は、短編アニメ「中国奇譚」の「小妖怪的夏天」と同じクリエイターチームによる作品。「小妖怪的夏天」は上映されると大反響を呼び、社会現象を巻き起こすほど話題となった。「聊斎:蘭若寺」は、「長安三万里(Chang An)」と同じクリエイターチームによる作品だ。「長安三万里」は、スケールの大きな歴史と文化の描写や革新的なアニマミックスが好評を博した。「羅小黒戦記2」は、「羅小黒戦記(羅小黒戦記・ぼくが選ぶ未来)」の続編で、同じクリエイターチームが制作した。第1作は、第33回金鶏賞(ゴールデンルースター賞)の最優秀美術賞にノミネートされた。
「浪浪山小妖怪」の予告編を見ると、子豚の妖怪「小猪妖」が「浪浪山を離れて、いろんな経験がしてみたい」と話しており、全く新しい人生がスタートすることになりそうだ。「小猪妖」は仲間の妖怪「蛤蟆精」や「黄鼠狼精」、「猩猩怪」と経典を求めるチームを結成して、爆笑とハラハラドキドキがいっぱいの冒険の旅に出る。
中国の古代怪異短篇小説集の傑作である「聊斎志異」の世界を堪能できる「聊斎:蘭若寺」は、「嶗山道士」や「聶小倩」、「画皮」といった「聊斎志異」の名作が組み込まれ、それぞれに特色がある6本のストーリーが展開。多様で多彩な仕上がりとなっている。
「羅小黒戦記2」は、人間の生活に少しずつ慣れた黒猫の妖精・羅小黒と執行人の無限が、妖霊会館が襲撃されたと聞いて、助けるために駆けつけるものの、予想外の展開に巻き込まれる。突如直面した大きな試練と予想外の敵を前に、小黒はどんな選択をするのか……期待は高まるばかりだ。
「浪浪山小妖怪」や「聊斎:蘭若寺」、「羅小黒戦記2」はいずれも中国スタイルの美学を表現している。「聊斎:蘭若寺」の制作チームは、作品のインスピレーションを求めて、3ヶ月かけて山西省の歴史ある寺27ヶ所に足を運んだという。うち「嶗山道士」の部分では、フェルトのような質感が初めて国産アニメーション映画に取り入れられている。きめ細かで丁寧なタッチで伝統文化が描かれており、斬新な仕上がりとなっている。中国風の魅力は、切り絵や水墨画といった中国の美術を取り入れることで表現されると同時に、伝達思考パターンや描写方法、文化的背景を通しても表現されている。中国民間文芸家協会の副主席を務める中国芸術研究院の苑利教授は、「『中国風』とされる色彩や音楽、描写方法などには、いずれも特定のパターンがある。それをうまく活用することで、なじみのある中国らしいテイストを引き出し、人々の伝統を愛する思いを呼び覚ますことができる」と説明する。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年7月15日
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