世界の文化に東洋の知恵を注ぎ続けていく中国映画
アニメ映画「哪吒之魔童閙海(ナーザの魔童大暴れ)」(以下「哪吒2」)がオーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、フィジーなどで公開され、前売り券は好調な売れ行きを見せ、熱い反響を呼んでいる。米IMDbには「この作品は、中国アニメの台頭後の強大な実力を示すだけでなく、中国の伝統神話が現代的文脈の中で持つ無限の可能性も示した」というレビューが寄せられ、この一文は複数のメディアに引用された。(人民日報コラム「和音」掲載)
中国文化の継承と革新の有機的融合によって、中国映画は世界を驚嘆させ続けている。「哪吒」という古典的キャラクターは変遷を繰り返し、各時代の文芸作品に登場してきた。東洋の神話的人物が現在の時代精神と交わり、英雄主義とリアリズムが融合することで、「哪吒2」は深い感情的価値と現実的メッセージを構築し、中華の優れた伝統文化の奥行きと厚みを描き出している。
少年の成長と変化、両親の犠牲と献身、正義への渇望と追求――「哪吒2」の物語では、多くの人々が共感できる経験や感情が描かれており、異なる文化的背景を持つ観客の共鳴を呼んだ。中華民族の誇りを喚起した映画「戦狼Ⅱ」、中国的ロマンと集団英雄主義を描き出したSF映画「流浪地球」、そして世界の興行収入ランキングの上位に躍り出た「哪吒2」など、中国映画は近年、次々と成果を挙げ、中国の物語を世界に向けて伝えるうえで文化の壁は超えられるということを示した。今年の春節(旧正月、2025年は1月29日)映画では、同じく注目を集めた作品が2つあった。コメディーミステリ映画の「唐探1900」は個人の運命と国家への思いを融合させ、観客に笑いとともに深い思索をもたらした。作品中の「我が民族は幾多の苦難を経験してきたが、危機を前に倒れることなく、先の者に続いて次々と突き進む者達が常におり、自らを犠牲にして、大きな事業を成し遂げてきた」というセリフがその一例だ。また、戦争アクション映画の「蛟竜行動」は中国人の大国としての豪胆さに再び火を点け、強くなった中国の世界平和を守る責任感に世界は注目した。中国映画は今後も人類運命共同体の視点を通じて、中国文化の豊かな資源を深く掘り起こし、中国の精神と価値によって生き生きとした物語を描き出すことで、世界の文化に東洋の知恵を注ぎ続けていくだろう。
「哪吒2」が興行収入と口コミ評価の双方で成功を収めた背景には、中国のアニメ産業ないしは映画産業全体の制作力のたゆまぬ向上がある。エンドロールには約140社の中国アニメ会社がクレジットされており、全編の特殊効果はすべて中国のチームが完成させた。活況を呈する中国の映画市場は、国産映画の視覚効果技術の発展を促進し、両者は互いに支え合っている。スペイン紙「エル・ムンド」は「この映画の成功は、低迷する世界の映画業界の士気を高めた」と評した。中国の視覚効果業界は、技術面で世界の前列を歩んでいるだけでなく、作品の表現方法においてもブレイクスルーを遂げ、独自の東洋美学による視覚的インパクトと芸術的魅力を生み出している。AFP通信は「『哪吒2』は、中国の伝統的な物語をベースにした作品に対する人々の高まり続けるニーズを満たし、技術の進歩がもたらした民族的な誇りもかき立てた」と報じた。
高い評価を受ける中国映画の数々は、中国の物語を伝え、中国の価値観と力を示し、現代中国を観察するための新たな窓となり、中国と外国が交流するうえで新たな懸け橋となっている。これは、中国が文化強国へと邁進する中で生じた世界的な反響である。今後も「文化+ストーリー+技術」の相乗効果を通じて、より多くの優れた中国映画が世界に羽ばたき、より多くの海外の観客の心を捉えることだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年2月14日
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