「魚の顔認証」 水環境監視にAI「電子の目」を導入

人民網日本語版 2025年07月25日14:52

「魚の顔認証?」。そう、聞き間違いではない。北京市の生態環境科学技術業務についての記者会見によると、北京は重要な水域に魚類オンライン監視統合システムを構築し、5G通信と人工知能(AI)技術を融合させ、水中の魚類個体群の状況をリアルタイムで把握し、種類や個体数などの情報のスマート収集を実現し、水域の生態環境保護に「スマートな目」を装備している。人民網が伝えた。

北京市生態環境保護科学研究院の夏天翔院長は、「従来の魚類監視は人が網で魚を捕り、定期的に監視するというのが主なやり方で、これでは場所や時間に制約があり、効率も悪かった。この課題を解決するため、北京市生態環境局の指導の下、当研究院は魚類オンライン監視統合システムを開発し、特定の水域での『魚の人口調査』を実現した。私たちは親しみを込めて『魚の顔認証システム』と呼んでいる」と述べた。

このシステムは5G通信とAI技術を融合し、水中全視点高解像度カメラ、リアルタイム画像伝送プラットフォーム、魚類スマート認証モジュールなどで構成されており、シミュレーション、現実のシーンを用いた事前学習、ディープラーニングなどの手段、水中を運動する物体の追跡および目標物解析のアルゴリズム、水草の自主浄化技術などを通じて、水中の暗所や逆光、濁り、遊泳対象の捕捉の難しさ、水草による遮蔽といった多くの課題を解決し、魚類の連続的なオンライン観測と認証を実現した。

夏氏は、「このシステムにより、特定の水域を全天候・24時間のリアルタイム監視が可能になり、魚の個体数を把握できるようになっただけでなく、リアルタイムで種類も識別できるようになった。これらのデータは、北京の水環境の質や水域の生物多様性を示す指標にもなる。『魚の顔認証システム』は水域にある生態系の『聴診器』のようなものと言える」と説明した。

現在、同システムは永定河、北運河、潮白河、大清河の水系で運用されている。同研究院は絶えずシステムを改良し、現在のシステムは第2世代に当たり、水域生態系のスマート監視レベルはさらに向上している。今後は、同システムと魚類のマイクロハビタット(微小生息場所)を結び付け、魚類監視のモジュール化と標準化を実現し、データのさらなる活用を進め、北京市の水域生態環境保護と美しい河川湖沼建設のためによりよく支援していく計画だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年7月25日

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