中国のゲームが世界中のゲーマーの心を掴んでいるワケは?

人民網日本語版 2025年07月28日10:10

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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モバイル版「Delta Force(デルタフォース、中国語名「三角洲行動」)」はリリースから4日間で、プレイヤー数が全世界で1000万人を超えた。また、「鳴潮」はプレダウンロードの段階で、107ヶ国・地域のアップルストアの人気無料ゲームアプリランキングで首位を獲得した。このように、今年に入ってから、中国のゲームが飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げ、海外進出も果たして、大きな成果を挙げている。

中国オーディオビデオ・デジタル出版協会のゲーム出版事業委員会が発表した「2025年第1四半期(1-3月)中国ゲーム産業報告」によると、中国が独自に開発したゲームの海外市場における実質売上収益が前年同期比17.92%増の48億500万ドル(1ドルは約147.6円)に達した。

熾烈な競争が繰り広げられている世界のゲーム市場で、中国のゲームはなぜ海外のゲーマーの心を掴んでいるのだろうか?

北京師範大学芸術・伝媒学院の何威教授は、「中国のゲームが海外のゲーマーの心を掴んでいる主な原因は、おもしろいからだと思う。海外のゲーマーを引き付けるカギはおもしろいゲームスタイルだ。『黒神話:悟空(Black Myth:Wukong)』のハードコアな武器を使った格闘や『原神』のオープンワールドの探索などは、同類のゲームの中では最高レベルだ」との見方を示す。

抜群におもしろいゲームスタイルが打ち出されている背景には、中国のゲームメーカーの継続的な技術革新がある。

騰訊(テンセント)の子会社・TiMi Studiosが開発したモバイル版「デルタフォース」は、今年4月に世界市場に向けてリリースされると、169ヶ国・地域のアップルストアの人気無料ゲームアプリランキングで1位を獲得した。

「デルタフォース」の郭智クリエイターは、「海外のゲーマーにベータ版をプレイしてもらう段階で、チームは1日当たり200件以上の要望を処理しなければならなかった。たとえ小さな問題であっても、すぐに原因を探し、何度も改善を重ねた。素晴らしい技術があったからこそ、このゲームは世界のタクティカルシューターゲーム市場で競い合う資格を得た」と説明する。

技術革新のほか、ローカライズの徹底も業界公認のカギとなった。

ソーシャルゲーム会社・米哈游(miHoYo)の関係責任者は、「世界のゲーマーに認めてもらえるゲームを作るためには、開発の段階で世界を視野に入れ、コンテンツ設計やオペレーション戦略を練り、ゲーマーがプレイする過程で帰属感や没入感を楽しむことができるようにしなければならない。例えば、『原神』のテイワット大陸にはいろんな文化の要素が混ざり合うエリアが設置されている。『モンド』は中世ヨーロッパをモチーフにし、『スメール』は古代インドと古代エジプトにインスピレーションを得ており、『ナタ』はアフリカのムードが色濃い。どの国・地域に住むゲーマーでも、自分が育った背景に通じるコンテンツを見つけることができるだろう」と語る。

業界関係者は、「地域の違いに対する注目が、ゲームのキャラクターや映像、音楽といった細かな部分にまで反映されている。海外のユーザーの好みや楽しみ方は変化し続けており、特に一部の新興市場の流れに付いていくためには、中国のゲームメーカーは理解を深め続けなければならない」との見方を示す。

海外進出において、中国独自開発ゲームは、「中国の伝統文化」という独特な「隠し味」を武器にできる。

多くの中国独自開発ゲームは、伝統文化の要素と現代的なゲーム設計をうまく組み合わせ、ゲームの中に音楽や漢詩、武術などを組み込み、海外のゲーマーはゲームだけでなく、奥深い中華文化を楽しむこともできる。統計によると、ここ約5年の間に、中国伝統文化の要素が組み込まれたゲームの数は約4倍に増えた。

業界では、ゲーム産業の今後の発展のためには、世論環境の最適化や学科の設置、人材育成体系の整備など、エコシステムの最適化が依然として必要と広く考えられている。関連企業はゲームとエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)、文化観光、人工知能(AI)といった分野との融合的な発展を継続的に模索し、ゲームの業界を超えてエンパワーメントできるポテンシャルを十分に引き出し、新しいブルーオーシャンを開拓しなければならない。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年7月28日

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