科学技術の力で世界一高い橋に「スマートな神経」を埋め込む

人民網日本語版 2025年09月28日10:29

貴州省貞豊県と関嶺県を結ぶ世界一高い橋、六安高速道路花江峡谷大橋が28日、正式に完成し、開通した。この橋は、縦でも横でも「世界一」の記録を持つスーパー大橋だ。主橋の径間は1420メートルで山岳地域の橋として世界一、また橋面から水面までの高低差は625メートルで同じく世界一となり、同省の六枝特区から安竜県を結ぶ高速道路の重要なハブとなる。新華社が伝えた。

花江峡谷大橋は全長2890メートルで、「地球の裂け目」と呼ばれる花江大峡谷をまたいでいる。開通後、従来は2時間かかっていた峡谷両岸の貞豊県から関嶺県への移動が、わずか2分で直通できるようになり、通行を阻んでいたところが大通りへと変身している。

建設過程では、深い峡谷という厳しい自然条件に直面し、建設者たちは複数の科学技術を革新的に導入した。その中で最も注目されるのは主ケーブルに組み込まれた「スマートケーブル」だ。3本の光ファイバー・グレーティングセンサーが内蔵されており、主ケーブルの応力、温度、湿度などのデータをリアルタイムでモニタリングできる。

主ケーブルは吊橋の「生命線」であり、一度設置されると交換はできない。従来のモニタリングは変形から逆算して荷重を推定する方法だったのに対し、「スマートケーブル」は24時間の動的モニタリングを実現した。湿度が64%を超えると自動的に除湿機が稼働し、密閉空間での結露による錆のリスクを防ぎ、大橋の100年寿命を守っている。

また、1420メートルという超大径間がもたらす大きな圧力に対応するため、建設チームは従来の鋳造工法を打ち破り、初めて鍛造溶接構造のケーブルサドルを採用した。数万回の精密鍛造を経て、サドルの最大単体重量が41.3トンにまで減ったものの、耐圧強度は44%向上した。この新工法により重量が軽減されただけでなく、輸送や吊り上げの難易度も下がり、軽量化しながら高負荷に耐えることが実現した。

北斗システムによる施工支援から、ドローンによる高空での針に糸を通すような作業、インテリジェントなモニタリングから超高強度材料の応用に至るまで、花江峡谷大橋の建設者たちは3年の歳月をかけ、600メートルの高空でミリ単位の精度を達成し、世界の橋梁工学に新たな「中国の知恵」を貢献した。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年9月28日

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