広東・珠海のエンボディドAI応用イノベーションセンターが始動

人民網日本語版 2025年10月09日16:35

珠海エンボディドAI(人工知能)応用イノベーションセンターでは、エンボディドAIロボットが自ら衣類をたたむ様子。(画像提供:珠海エンボディドAI応用イノベーションセンター)

珠海エンボディドAI(人工知能)応用イノベーションセンターでは、エンボディドAIロボットが自ら衣類をたたむ様子。(画像提供:珠海エンボディドAI応用イノベーションセンター)

広東省珠海市で10月7日、珠西科学城「3大イノベーションセンター」始動イベントが行われ、珠海エンボディドAI(人工知能)応用イノベーションセンターが正式に始動した。中国新聞網が伝えた。

同センターは珠海科技産業集団有限公司、珠海ハイテク産業開発区、智元ロボットが共同で設立したもので、中国国内トップレベルのエンボディドAI技術の応用と産業化プラットフォームを構築し、エンボディドAIが実験室から多様な産業シーンへ向かう動きを加速させることを目指す。

同センターの石小星会長は、「当センターは智元の全シリーズのロボットが持つ学習能力と汎用性の高い応用能力を活用し、サプライチェーンの構築と応用シーンのイノベーションをめぐり、中国内外のロボットサプライチェーンの中心的企業を珠海に集積させ、整ったエンボディドAI産業チェーンの構築をサポートする」と説明。

世界的なエンボディドAIロボットサプライチェーンの重要な集積地として、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)は世界のサプライチェーンの約24%のシェアを占め、エンボディドAI産業には大きな可能性がある。中でも珠海は「精密な政策支援+資本による深いエンパワーメント+シーンによる牽引」のパッケージ戦略により、エンボディドAI技術の実装と産業発展に加速をもたらしている。

珠海は5月、全国に先駆けて「人工知能・ロボット産業の質の高い発展を推進するための若干の措置」を発表し、11項目の政策を通じてチェーン全体にわたる育成システムを構築するとした。これには最高で5億元(1元は約21.4円)の「演算能力バウチャー」や1億元の「モデルバウチャー」の創設、ロボットの運動制御アルゴリズムや高性能ロボットハンドなどの分野を対象に「揭榜掛帥(イノベーションプロジェクトのリーダーの年齢・職位にとらわれない自薦による公募)」を行い、プロジェクト投資の50%以下で最大3000万元までの補助金支援などが含まれる。

智元のパートナーでシニア副総裁の姜青松さんは、「珠海の大きな優位性は行政の開放的な姿勢であり、ここには島があり、先進製造やウェルネスなど多様なシーンがあり、企業の発展の窓口となっている。イノベーションセンターが全面的に稼働して運営を行うようになると、珠海は粤港澳大湾区のエンボディド分野の重要な技術実験場、成果の実用化装置、エコシステムの接続点になり、地域の産業高度化やレベルアップにこれまにない新しい原動力を注入することになるだろう」と期待を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年10月9日

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