「高等教育の国際イノベーション動向報告書」発表
中国教育科学研究院主催の「国際教育イノベーション動向研究会」が1月22日、北京で開催され、中国教育科学研究院の李永智院長が「高等教育国際イノベーション動向報告書」(以下「報告書」)を発表した。
報告書によると、高等教育における国際的なイノベーション動向が主に次の8つの側面に現れている。
1.AIが知識生産のパラダイムを覆す。(1)現在の知識イノベーションの多くは企業主導で進められている。AI(人工知能)、バイオ医薬、集積回路、量子技術などのハードコア分野では、企業が知識イノベーションの主導的役割を担っている。(2)大規模プラットフォームと豊富な資源が組織的な科学研究を支えている。重要かつ複雑な課題に対応するには、体系的なトップレベルデザインと資源統合が不可欠だ。(3)応用シナリオが超学際的連携を推進している。知識生産は知識のための知識にとどまらず、応用シナリオの中で異なる分野のイノベーションを連動させ、解決策を生み出すものへと転換している。(4)人とAIの融合が人間の知的到達点を引き上げている。知識生産は人とAIの共創へと移行し、データ駆動やアルゴリズム最適化を通じて人間の認知の境界を拡張し続けている。
2.人材育成の組織形態が衝撃を受けている。(1)学歴教育が挑戦に直面している。ハイテクがもたらす「透明化した世界」の中で、従来の学歴教育の価値とその育成方法は試練にさらされている。(2)学生の中核的能力が再定義されている。人間の競争力の中核は、AIを理解・活用・主導・先導する能力へと移行している。これらのAIが模倣しにくい人間的特質が学生育成の目標となる。(3)マイクロ専攻による柔軟な学習が急成長している。「マイクロ専攻」「マイクロ資格」などの短期・非学位コースが拡大し、学習の柔軟性が大きく広がっている。(4)学際的なプロジェクト型学習が主流化しつつある。特定の課題に焦点を当て、従来の学問分野の境界を越えて複雑な問題解決能力を育成する。
3.大学の形態が体系的に変革している。(1)新たなタイプの大学が多様化している。世界的に新興大学、バーチャル大学、特色ある学院などが現れ、大学の形態は多様化している。(2)育成段階の重点が上方に移動している。修士・博士課程の比重が急速に高まっている。(3)AIが大学の運営メカニズムを再構築している。AIを中核とする技術変革が、教育・研究・ガバナンスの運営を体系的に再構築している。
4.国家戦略の主導的役割が際立っている。(1)教育・科学技術・人材の一体的集約を推進している。複雑に変化する国際環境の中で、教育・科学技術・人材およびその統合的発展は国家発展の重要な要素となり、大学はこれら三者を統合する中核的な力となっている。(2)国家の科学技術イノベーションを支えている。高等教育は基礎研究の主力であり、重要な科学技術ブレイクスルーの源泉だ。(3)国家戦略人材の誘致と育成を担う。世界からトップ人材を広く受け入れると同時に、国内の高度人材を育成している。
5.「教育と地域の適合」が地域イノベーションを深化させる。(1)地域イノベーション発展共同体の構築が進められている。大学は地方政府、企業、研究機関と連携し、運営の境界や体制の壁を越えた共同体を形成している。(2)地域における産学研(産業、大学、研究機関)の深度融合を推進している。学科編成の最適化、人材育成モデルのイノベーション、教員・実験資源の統合を通じて地域における産学研の深度融合を推進している。(3)大学と都市の共生が進んでいる。大学はその独自の学術的雰囲気、文化的蓄積、空間的特性が都市の再生とイノベーション高度化を促している。
6.国際協力は多様な形で受動的に現れている。(1)地域レベルの国際化が急速に進展している。地域協力が国際連携の主要なルートとなりつつある。(2)在地国際化が新たな意義を示している。グローバル化の停滞とデジタル化の共同推進により、在地国際化は世界の資源を地域に集積するより強靭な国際協力の形態へと変化している。(3)バーチャル国際化の優位性が顕在化している。複数の国の政府や大学、関連機関がデジタルプラットフォームの整備を積極的に進め、バーチャルな方法で世界の高等教育協力に深く関与している。
7.機会の公平から全体的公平へ。(1)公平は世界の高等教育における優先課題となり、情報技術の発展と活用がその推進条件を作り出している。(2)多元的要素を含む公平へと拡大している。機会の公平を重視する段階から、機会・プロセス・成果・質を含む全体的公平を重視する段階へと移行している。(3)教育支援はより精緻化している。公平を、学生一人ひとりが理解し、受け入れ、実感できる形で具体化し、社会的福祉の向上と前向きな社会的感情と力を形成している。
8.持続可能な発展を「共通認識」から「共同行動」へ。(1)大学は持続可能な開発教育を高等教育システムに組み込んでいる。持続可能な開発目標は大学の戦略計画や育成プログラムに組み込まれ、高等教育システムの一部となっている。(2)国際ネットワークを通じた持続可能な開発のグローバル協力を推進している。大学は政策研究や公共ガバナンスを中核とする多国間協力ネットワークに深く参画し、世界の持続可能な開発行動の加速を推進している。(3)分野横断の連携で世界的課題に対応している。大学は国家・地域レベルの協力体制に積極的に参画し、持続可能な開発に向けた幅広い協力を推進している。(編集ES)
「人民網日本語版」2026年1月23日
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