ポテチが白黒包装に 中東の戦火に翻弄される日本の実体経済

人民網日本語版 2026年05月20日09:23

普段食べているお菓子のパッケージから色がなくなって、白と黒だけのモノクロになっても、そのお菓子を買いたいと思うだろうか。

日本では5月12日、スナック菓子大手のカルビーが、ポテトチップスやかっぱえびせんなど14種類の主力商品のパッケージを一時的に白黒に切り替え、パッケージの色をなくすと発表した。

同社によると、原因は中東情勢を受けてナフサ由来の原材料の調達が不安定になっているためだという。

ホルムズ海峡の通航が滞るようになったことで、世界のエネルギーサプライチェーンが大きな打撃を受けた。ナフサは原油精製の過程で得られる重要な中間製品で、カラー印刷のインクの溶剤、プラスチックのパッケージ原料に多く使われている。今回の通航停滞により調達が困難になり、供給が限られるようになった。

日本の内閣府がまとめた統計によると、日本はナフサの約40%を中東からの輸入に頼っている。中東で戦火が上がってから、ナフサの価格は約66%値上がりした。日本のインクメーカーのアーティエンスは早くも4月、プラスチックと紙製品に使用する印刷用インクの価格を20%引き上げる計画を発表した。

影響を受けたのはカルビーだけではない。報道によると、伊藤ハム米久ホールディングスもパッケージを白黒2色に簡素化することを検討しており、カゴメはケチャップのパッケージの下半分をこれまでのトマトのイラストから透明の何も描かれていないものに変えるという。

日本経済団体連合会が4月末に発表した調査結果によると、回答した企業約100社のうち44%が「ナフサ不足の影響を感じる」と答え、約75%が「ナフサ供給問題が続けば、3ヶ月以内に生産に影響が生じる」と答えた。

しかし、日本の佐藤啓内閣官房副長官は12日の記者会見で、ポテチのモノクロパッケージについての質問に答えて、「印刷用インクあるいはナフサについて現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けていない」と述べた。

商品棚に白黒パッケージが並ぶというのに、政府は「供給は十分にある」と言う。どちらが本当なのか。

白黒パッケージの問題は氷山の一角に過ぎない。石油供給危機は為替レートの混乱ももたらしている。

ロイター社の報道によれば、日本が石油の約95%を中東からの輸入に依存していることから、日本円はエネルギー価格の動きに敏感に反応する。

オーストラリアの金融サービス企業であるマッコーリー・グループのグローバル為替金利戦略担当者の分析では、「原油価格の高騰に伴い、トレーダーの間で円売りが自然な動きになった。円は収益性の低い通貨であり、そのファンダメンタルズは原油価格高騰によるマイナス影響を最も受けやすいからだ」という。

その結果、円の対米ドルレートは一時1ドル=160円付近まで低下して、過去約2年間の最安値を更新した。

ロイター社と日本紙・毎日新聞の報道によると、円安に対応するため、5月初めのゴールデンウィーク連休期間に、日本政府はたびたび密かに外国為替相場に介入し、4月末から5月初めに市場に約10兆円を投入しようとした。

同時に、日本は国家石油備蓄を相次いで放出した。3月は約30日分を放出し、5月に再び約20日分を放出した。石油元売り大手ENEOSもアゼルバイジャンから64万8000バレルの原油を緊急調達し、ホルムズ海峡を経由しないルートで日本へと運び込んだ。

こうしたさまざまな救済措置を打ち出しても、日本企業は引き続きコストの重圧により不安定な状態が続いている。

東京商工リサーチが5月13日に発表したデータによると、2026年4月に日本全国で倒産した企業は前年同期比6.6%増の883社に上り、そのうち85社はエネルギー価格高騰と円安が倒産の直接の原因だったという。

今回のポテチの白黒パッケージの背後には、遠い中東の戦火と繰り返される為替変動に翻弄される日本企業の厳しい現実がある。政府が口にする真偽不明の「供給は十分」という説明は、おそらくは企業が直面するエネルギー不足を解決することのできない「絵に描いた餅」だろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年5月20日

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