「双子」ロボットが平均7.5秒でリンゴ1個を収穫
「ドローン」や「ロボット」が初めて「中央1号文書」に盛り込まれ、農業における新たな質の生産力が農村で力強く育ち、デジタル技術が構想から現実へと移りつつある中、中国の農村は新たな発展の局面を迎えている。新華社が伝えた。
陝西省は中国有数の果樹産地で、リンゴだけでも全国生産量の約4分の1を占める。しかし、多くの果樹園が丘陵地帯や谷間にあるため、大型農業機械の導入が難しく、人件費は上昇し、負担となっている。長年にわたり、果実の収穫は主に人手に頼ってきたが、作物の特性や作業環境の影響により、収穫効率の低さやコストの高さ、人手不足が果樹産業の発展を妨げる大きな課題となっていた。

こうした産業の課題を解決するため、西北農林科技大学機械・電子工程学院の楊福増教授率いる研究チームは、「双子」リンゴ収穫ロボット(以下、「双子」ロボット)を独自に開発した。この装置は、大型と小型の2台の半人型ロボットで構成され、共通のクローラー式走行台車に搭載されている。背の高い「兄ロボット」は地上1.5メートル以上の高い位置にあるリンゴを収穫し、背の低い「弟ロボット」は低い位置のリンゴを担当する。この「兄弟ロボット」による息の合った連携で、果樹全体を対象とした収穫が可能となる。
「兄ロボット」は関節数がより多く、より高い柔軟性を備えたロボットアームとなっており、枝葉を避けながらさまざまな角度や姿勢で収穫作業を行うことができる。一方、「弟ロボット」は直交座標型の産業用ロボットアームを採用し、作業範囲がより広く、動作速度もより速くなっている。「双子」ロボットの重要技術は、頭部とロボットアームに搭載されたビジョンシステムにある。このシステムはロボットの「目」の役割を果たし、果樹の形状や果実の色、大きさを高精度でスキャンし、その情報をリアルタイムでロボットの「脳」に伝送する。
ロボットの「脳」はアルゴリズムによって画像を認識・解析し、リンゴの木、枝、果実を識別するだけでなく、病害虫の被害を受けた果実を選別することもできる。そして、品質の良いリンゴだけを選別し、ロボットアームに収穫指令を送る。この「高精度認識―スマート選別―柔軟収穫」という一連の技術により、従来の「まとめて収穫」から「選び抜いて収穫」への飛躍を実現した。
研究チームによると、現在の「双子」ロボットは平均7.5秒でリンゴ1個を収穫できる。実用化後は、1時間当たり約800個のリンゴを収穫できる見込みだ。実際の果樹園の複雑な環境に対応するため、研究チームは丘陵地形を再現した実験施設で試験を繰り返し実施し、最大登坂角度15度を達成したほか、溝や段差を乗り越える能力の向上にも取り組み続けている。
陝西省内の33ヘクタールを超える果樹園で行われた実証実験では、すでに立体的な無人果樹園の姿が描き出されている。地上では点検ロボットが果樹園内を走行し、病害虫の点検や収穫状況の監視を行う。さらに2台の搬送ロボットが収穫ロボットと連携し、収穫した果実を速やかに運搬する。一方上空では、ドローンが低空飛行し、リモートセンシングカメラによって地上の状況をスキャンしている。
現在、陝西省では、スマート育種、デジタルツイン果樹園、丘陵・山間地域向けスマート農業機械の普及を加速させている。全チェーンのビッグデータ管理や、グリーン・低炭素型生産などの新技術を導入し、スマート果樹園のカバー面積を拡大している。2024年9月には、中国で初となるリンゴの全機械化実験拠点「延安リンゴ全機械化実験拠点」が陝西省黄陵県に建設された。この施設は楊教授のチームが計画・設計を担当し、果樹園ロボットは耕起から、除草、農薬散布、袋掛け、収穫に至る全プロセスへの導入が進められている。2025年10月には、「双子」ロボットが延安市黄陵県で初の実地デモンストレーションを実施し、未来の果樹園が持つ無限の可能性を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年7月29日
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