解説
- 量的金融緩和政策
- 「概説」
- 量的金融緩和((quantitative
easing))政策の量的とは通貨の発行を一定量拡大することをいい、緩和とは中央銀行の当座預金残高引き上げに対する圧力を軽減することをいう。中央銀行が銀行など金融機関から有価証券を買うことで、新たに発行された通貨が私有の銀行システムに出回ることになる。
主には中央銀行が0もしくはそれに近い金利政策を実施した後、国債など中長期債券を購入することで、基礎通貨の供給を増やし、大量の流動性を市場に注入する関与方式をいう。金利レバレッジなど伝統的なツールと異なるため、非伝統的金融政策といわれる。中央銀行が公開市場で短期の政府債券に対して行う経常取引と比べ、量的金融緩和政策がかかわる政府債券は金額が大きく、デュレーション(残存期間)も長い。
量的金融緩和政策は、日本の中央銀行が2001年に初めて打ち出した政策。中央政府が銀行システムに巨額の資金を注入し、通貨の大量発行または政府や企業債券の購入など基準利率を0%に維持する施策により、経済システムに新たな流動性を生み出し、支出や貸し入れを押し上げる。一般的に、利率の調整など伝統的な措置が役に立たない場合に初めて、通貨当局が同政策を実施する。
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