解説
- 下水油
- 「概説」
- 「下水油」(中国語「地溝油」。レストランなどの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状の油から精製した油)
「下水油」を識別するのに有効な指標4種類がある。
指標1:
多環芳香族炭化水素(PAHs)。これは、炒める、焼く、揚げるなど食用油を加熱した場合に発生する、ベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素の総称で、残留性有機汚染物質に属する。ほとんどのPAHsは国際がん研究機関(IARC)により発がん物質に指定されている。
指標2:
コレステロール。食用植物油の中には一般的にコレステロールが含まれない、もしくは非常に少量しか含まれない。「下水油」には動物由来成分が含まれる可能性が高いことから、コレステロールが検出され、しかもその量が一定の基準を上回った場合は「下水油」である可能性がある。
指標3:
導電率。油脂は本来電気を通さないが、酸化後に各種の極性物質が生成されると導電性を持つ。「下水油」には大量の金属イオンが含まれるため、導電率が高い。
指標4:
特定の遺伝子。「下水油」は様々な廃棄油を混合して作られているため、往々にして動物油が含まれている。分子遺伝学的同定法により、油脂中の動物性遺伝子を検査すれば、食用油の中に動物由来の成分が含まれているかを判断することができる。
このほか警察当局の情報によると、「下水油」から食用油を精製する技術は単純な物理的分離のみであることがわかった。一部の専門家による「下水油から食用油を精製する技術は複雑で、コストが高い」との指摘は、事実と反するものだ。
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