解説
- 玉兎号
- 「概説」
- 中国初の月面探査車の公式名称。国家国防科学技術工業局は2013年11月26日午前9時、月面着陸任務を担う「嫦娥3号」のキャリア・ロケットと探査機が、すでに西昌衛星発射センターに搬入されたことを明らかにした。嫦娥3号には中国初の月面探査車「玉兎号」が搭載される。
設計重量140キログラムで、太陽光発電を行い、真空、強い放射線、最低零下180度、最高150度という月面の苛酷な環境に耐えられる。傾斜20度の坂を上り、20センチメートルの障害を乗り越える能力を持ち、パノラマカメラ、赤外線分光撮像装置、月探査レーダー、粒子励起X線分光装置などの科学探測機器を搭載している。
■命名までの経緯
名称の公募は2013年9月25日から同年10月25日まで実施。新華網、騰訊網には計19万3100件の名称案が寄せられた。同年10月26日、社会各界の14人の審査員が文化的含意、宇宙事業、民族的特徴、創意などの観点から審査を行い、投票を重ねた結果、最終的に「玉兎号」を選出した。初の月面探査車を「玉兎号」と命名したのは、「玉兎」(伝説中の月に住むウサギ)の善良、清らか、敏捷なイメージが月面探査車の構造と使命を示すとともに、宇宙の平和利用という中国の考えも伝わるものだからだ。「嫦娥3号」の月面着陸後、「玉兎号」は3カ月間にわたり月面探査を行う。
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