中国(上海)自由貿易試験区が2013年9月29日に正式に設立されてから、はや半年が過ぎようとしている。この半年間に、自由貿易区の発展にはどのような変化があったのだろうか?自由貿易区は一般市民の生活に、どのような変化をもたらしたのだろうか?自由貿易区の最も神秘的な「芸術の宝庫」は、どのような様子をしているのだろうか?ここからは、自由貿易区の神秘のベールを剥がしていこう。人民網が伝えた。
中国(上海)自由貿易試験区の総面積は28.78平方キロメートルに達し、外高橋保税区、外高橋物流パーク、洋山保税港区、浦東空港総合保税区という4つの税関特殊監督管理エリアが含まれる。
設立から現在に至るまで、自由貿易区はさまざまな革新的な制度を制定している。例えば投資面で、登録手続きの簡略化、登録資本の「引受制」への変化、企業年次検査の企業年次報告開示制度への変更などを実施した。また試験区管理委員会、工商業、税務、品質管理の4部門の「一枚で登録、一カ所で受理、統一手続き」のサービス方式を形成した。外資系企業は新設登録をする際、4日間で登録証明書、営業許可証、企業コード、税登録証明書を取得でき、従来の29日から大幅に短縮され、投資家の利便性が高まった。
自由貿易区で登録済みの企業は7257社に達しており、区内の企業総数の8割弱となっている。外資系企業の進出は、この数カ月で急増している。自由貿易区の設立以来、外資系企業の登録数は584社、中国企業は6673社に達している。
また「跨境通」(政府が認める国境を越えた電子商取引のテストプラットフォーム)の登場は、「海淘族」(海外のオンラインショップの利用を好む人)の注目を集めている。跨境通には、透明なルート、本物の商品、迅速な物流などの特長がある。例えば同プラットフォームで米国から輸入されるスターバックスの瓶詰めコーヒーを購入する場合、1本当たり16元(約260円)で、2週間内に消費者の自宅に届けられる。写真は、上海跨境通国際貿易有限公司執行副総裁の顔静氏が、跨境通の消費・決済方法を説明する様子。
「国際商品保税展示取引プラットフォーム」は、自由貿易区内の輸入商品資源を活用し、国際貿易の産業の強みを結びつける。自由貿易区と隣り合う「森蘭・外高橋プロジェクト」を担い手とし、自由貿易区内の「倉庫」と森蘭・外高橋の「店舗」の効果的な融合により、「店舗+倉庫」という輸入商品の革新的なビジネスモデルを形成する。これは一般市民にとっても朗報だ。市民は自由貿易区の外の店舗内で、本物の輸入商品を購入できる。その価格も、深セン市や香港と同じ水準に達する可能性がある。
上海自由貿易区には、「芸術の宝庫」が集まっている。これは、上海国際芸術品取引センター芸術品保税倉庫のことだ。世界的に知られるオークションハウスのクリスティーズは2013年9月、上海で中国大陸部初のオークションを開催したが、これにあたって同取引センターが保税倉庫保管などのサービスを提供した。既存のモデルによると、クリスティーズの商品は、中国国内で展示・取引の全過程を完了するまで、通常2−7日が必要だ。一方で保税倉庫保管モデルの場合だと、商品は当日のうちに空港の駐機場から自由貿易試験区内の芸術品保税倉庫に移される。価値の高額な芸術品の場合、これは安全保障の強化につながる。企業にとっても、コストを大幅に削減できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月24日