北京の梅蘭芳大劇場で「中国京劇・日本歌舞伎合同公演」が2日・3日の両日行われ、日本の歌舞伎俳優、尾上菊之助(37)が自身の代表作「春興鏡獅子」を披露した。公演は両日ともに満員で、訪れた北京市民は初めて観る日本の伝統芸能に大喝采を送った。菊之助は「中国人の観客、しかも意外に若い世代の方々にも大勢足を運んで頂き、温かい拍手をたくさん頂けて嬉しかった」と振り返った。
初めて歌舞伎を観たという20代の女性は、「こんな機会はないと思い両日とも観に来た。日本の本場の文化芸術が味わえて本当に良かった。感動した」と語り、60代の男性は「京劇と違い、役者本人が歌うこともなければ、演奏もやや単調だが、独特のリズムと情緒は味わい深いものがあり、非常に美しいものだと知った。機会があればまた来たい」と興奮した様子で語った。
「京劇も歌舞伎も共通している点は非常にシンプルだということ。そして若い頃から、舞台に立つ時間よりも長い時間をかけて、観客に認められるまで努力を重ねて来たという点でも、京劇俳優も歌舞伎俳優も同じなんだと感じた」と菊之助が語るように、その研鑽された文化芸術の美は国境を超えて中国の観衆を魅了したようだ。
今回の活動は中日友好を目的に、中国人民対外友好協会、中国日本友好協会、中国国家京劇院、日本松竹株式会社が共同主催した。(岩崎元地)
「人民網日本語版」2015年4月6日