北京日本学研究センター設立30周年記念国際シンポジウムが24日と25日の両日、「アジアにおける日本研究の可能性」をテーマに北京外国語大学で行われた。日本国大使館の伊藤康一首席公使、国際交流基金の柄博子理事、中華日本学会の劉徳有名誉会長らが開幕式に出席した。
伊藤公使は挨拶において、「北京日本学研究センターはこの30年間に1000人を超える優秀な日本語人材を育成し、中国各地の大学、政府機関、日系企業などで彼らの活躍する姿を見ることができる。これは中日協力および中国の社会経済の発展に大きな貢献をしているといえる。今後アジアないし世界の日本研究において、北京日本学研究センターが引き続き中日両国をつなぐ架け橋の役割を果たし、より多くの優秀な人材を輩出することを期待している」と述べた。
北京外国語大学の孫有中副学長は、「30年来、中日両国関係は様々な困難を乗り越えながら発展してきた。両国関係にどんなことがあろうと、北京日本学研究センターの中日教育文化協力が揺らぐことはなかった。これは偏に中日両国の学者および終始我々を温かく支えてくれた中日各界の関係者の共同の努力と頑張りによるものである。センターは未来に向かい、積極的に研究分野を開拓し、さらなる成果を得られることを希望する」と挨拶した。
柄理事は挨拶で、「北京日本学研究センターは改革開放後の中国と共に目覚しい発展を遂げてきた。今後センターが諸外国との連携を強め、他国の日本研究者や研究機関との協力をさらに拡大していくことを望む。国際交流基金はセンターのさらなる発展をこれまでと変わることなくサポートしていく」と語った。
北京日本学研究センターは30年来、中日各界の専門家や友好の人々の多大な支持を集めてきた。中日交流の上に貢献してきた諸先輩の支持と指導に感謝するため、開幕式では北京日本学研究センター顧問功労賞の授与式も行われ、文化部(省)元副部長で、中華日本学会名誉会長の劉徳有氏、在日本国大阪総領事館元領事の劉智剛氏、在日本国大使館元教育公使で、教育部(省)中国語国際普及リーディンググループ弁公室顧問の李東翔氏らに授与された。
式後、東京大学の竹内信夫名誉教授による「大平正芳追想―北京日本学研究センター30周年を記念して」をテーマとした基調講演と、北京大学の厳紹璗教授による「中日古代文化関係の政治的枠組み」をテーマとした基調講演がそれぞれ行われた。24日と25日両日のシンポジウム開催期間中には、中日韓3カ国の200名近い専門家が、「アジアにおける日本研究の可能性」を巡って討論を展開した。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年10月26日