中国教育部(省)は20日、公式サイトで中国国家語言資源モニタリング・研究センターが発表した「2017年度ネット流行語トップ10」を掲載した。「打call(コール)」や、「油膩(脂ぎった)」などがランクインしている。新華社が報じた。
今回発表されたトップ10は上から順に、「打call(コール)」、「尬聊(気まずい会話)」、「你的良心不会痛嗎?(あなたの良心は痛まないの?)」、「驚不驚喜、意不意外(驚きだよね、想定外だよね)」、「皮皮蝦、我們走(シャコ君、レッツゴー)」、「扎心了、老鉄(グサッときたよ、アニキ)」、「還有這種操作?(こんなやり方もありなわけ?)」、「懟(恨む)」、「你有freestyle嗎?(freestyleある?)」、「油膩(脂ぎった)」だった。
ネット流行語は、ネットユーザーの知恵の結晶であり、とても特徴的でユーモアにあふれている。その認知度と使用頻度は非常に高く、現在のインターネット生活を代表する存在の一つとなっている。今年のネット流行語トップ10は、映画やバラエティー番組、ライブ配信プラットフォームから生まれ、ネットユーザーが今年一年注目したことやその喜怒哀楽を生き生きと描写し、ネットユーザーの言葉の文化を反映している。そして、今年一年、ネット上で話題になったことを読み解くことができる。
打call(コール)
日本語のアイドルを応援する意味の「コール」に中国語の動詞を加えて訳された流行語。中国でも特定の人や事、物などを応援したり、支持する時に使われている。
尬聊(気まずい会話)
「気まずい会話」は、「気まずいダンス」から派生して生まれた言葉で、全く盛り上がらず、気まずい雰囲気に陥りながらも、無理に会話を続けている状態を指す。あまり会話がはずまない相手と会話すると、すぐに話が続かなくなってしまう。それでもなお会話を続けなければならないという場面もある。一般的に、会話をする片方がおしゃべりが不得意なことが原因だったり、会話をしている時に他のことを考えていて、会話がぎくしゃくしてしまうことが原因だったりする。
你的良心不会痛嗎?(あなたの良心は痛まないの?)
あるネットユーザーがSNSに、「中国の詩人・杜甫は、詩人・李白のために詩を15編も作ったのに、李白が杜甫に答えた詩はほとんど無く、汪倫には『贈汪倫』という詩を作っている」と投稿したところ、多くのネットユーザーが「李白、あなたの良心は痛まないの?」というコメントを寄せた。そしてこのフレーズはその後、NTTドコモのキャラクター「ポインコ兄弟」シリーズのSNSスタンプに使われたことであっという間に大人気になり、誰かを皮肉ったり、突っ込みを入れる場合に使用されている。
驚不驚喜、意不意外(驚きだよね、想定外だよね)
この言葉は、香港映画「家有喜事1992 (All's Well, Ends Well)」の主人公2人が交わした名セリフ。思いがけない方向へ物事が進んでしまったことを意味しており、劇的な展開が生じた際に、ユーモラスに突っ込みを入れるために使われる。
皮皮蝦、我們走(シャコ君、レッツゴー)
このフレーズは、元々はあるゲームのプレイヤー同士のチャットで「〇〇、レッツゴー」と自分の騎乗するキャラの名を入れる形で頻繁に使用されていた。そして今年になって、ネットユーザーらよって、そのキャラの名前が「皮皮蝦(シャコ)」に置き換えられ、派生バージョンである「シャコ君、帰ろうぜ」や「シャコ君、バックだ」なども生まれた。そして思わず笑いを誘うイラスト付きのSNSスタンプが大人気となり、掲示板やチャットで多用された。
扎心了、老鉄(グサッときたよ、アニキ)
このフレーズが一番最初に登場したのは、あるライブ配信プラットフォームのリアルタイムコメント。「老鉄」とは、中国北方地域で「アニキ」を表す呼び方で、「扎心」とは心理的にとてもショックを受けたことを表し、2つを組み合わせることで、心を傷つけられたことを友達に訴える時などに使われる。
還有這種操作?(こんなやり方もありなわけ?)
このフレーズはゲーマーたちの間で生まれ、目を剥いて驚くようなゲームの操作方法に突っ込みを入れたり、称賛したりする時に使われていた。そしてそこから理解不能なことや常識外れな処理方法に遭遇した時にも使われるようになった。
懟(恨む)
抵抗を感じたり、対抗する気持ちを感じた時に使う言葉で、「新華字典」では「恨む」と解説されている。一方ネット上では、言葉や行動で反撃するという意味で使われている。このフレーズは一方で今の若者は自分の気持ちや不満を臆さず言い表していることを反映しており、中国の社会が一層包容的で多元化していることも示している。
你有freestyle嗎?(freestyleある?)
ネット上における「freestyle」は、アドリブの意味で使われている。ヒップホップミュージックのコンテストで、出場者が即興で歌を作り、披露する時などに使われる。このフレーズは、歌手の呉亦凡(クリス・ウー)が、ミュージックバラエティー番組「中国有嘻哈」で何度も使い、ネット上でも大人気になった。
油膩(脂ぎった)
「脂ぎった」が人気になったのは、あるネットユーザーが微博(ウェイボー)に投稿した「脂ぎった中年男性改善案」に端を発しており、同投稿はネットユーザーの間で大きな話題となった。その後、作家の馮唐や音楽プロデューサーの高暁松などが自身の微博アカウントに、「脂ぎった」下品な中年男性にならないための方法を書き込んだ。「脂ぎった」という言葉の流行から、多くの中国人が物質面において生活が改善した現在、健康的なライフスタイルを追求しようとする姿が反映されている。そして現在、「脂ぎった」の意味はさらに広がり、誠意がなく軽薄、身なりや体裁を気にしない、だらしないといった意味も含まれるようになってきている。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年12月22日
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